水のコラム
2023.04.19
トイレ
トイレの排水管のつまり修理は簡単!原因と修理法を覚えよう
トイレによくある故障のひとつが、排水管のつまりです。トイレの中の物を流そうとしてもうまくいかず、いきなりつまってびっくりした方もいるのではないでしょうか。
いきなり遭遇するとビックリしてしまうトラブルですが、修理自体はとても簡単です。ここでは、配管の種類とつまりの原因・修理方法を解説します。万が一の時の対応にお役立てください。
排水管には3つの種類がある
排水管には3つの種類があり、それぞれ役割が違います。正しく修理するには、配管ごとの特徴を押さえておきましょう。配管の役割を解説します。
汚水管
汚水管は、トイレにつながっている排水管です。ほかの排水管よりも雑菌を多く含む排水を流すため、分けられています。
古いマンションなどでは、床下にある管でまとめて排水されていることもあります。トイレのつまりが発生した場合、修理の対象となるのはこの汚水管です。
雑排水管
雑排水管は、トイレ以外の排水、つまりキッチンシンクや洗面所・お風呂場・洗濯機などの排水を流すための管です。生活排水の大半を担う排水管で、汚水桝につながっています。
雨水管
住宅の排水は、生活排水や汚水だけではありません。屋根やベランダなどから入り込んだ雨水も含まれます。雨水管は、住宅に降った雨を排水するための管です。落ち葉やゴミがたまりやすいため、排水溝などにネットがかけられています。
汚水管でつまりが起こる原因
排水管の種類を見ると分かりますが、それぞれ管ごとに流す物やつまる物が違います。トイレつまりを正しく修理するには、汚水管でつまりが起こる原因について知っておかなくてはなりません。ここでは、配管をつまらせる原因を解説します。
水溶性の紙や排せつ物
トイレットペーパーやトイレ用掃除シートなどの水溶性の紙や、排せつ物などは、原因の中でも特に多いものです。
トイレットペーパーは、もともと水に溶けやすい物質で作られていますが、便器や配管が処理できる量よりも多い分を流してしまうと、配管内で溶け残りになります。この溶け残りに、排せつ物などがたまっていくことで、つまりが発生するのです。
掃除用シートなどの中には水で流せるタイプがありますが、これもまたつまりの原因になります。掃除用シートはトイレットペーパーに比べると大きく、厚手です。その分溶けるのに時間がかかります。トイレットペーパーよりも配管内に残りやすいため、つまりの原因になりがちです。
これらで配管内が狭まっていると、本来なら問題なく流れるはずの排せつ物が引っかかり、中を塞いでしまいます。結果、トイレのトラブルを引き起こすのです。
尿石
尿石は、尿に含まれているミネラル分が固まったものです。配管内に尿石ができると、配管を狭めます。
解け残った水溶性の紙などがこの尿石に引っかかり、つまりを誘発することもあります。重度のつまりを誘発することもあるため、予防には配管の定期的な掃除が必要です。
トイレに本来流すべきでない異物
水溶性の紙や排せつ物に続いてよくあるのが、トイレに流すべきでない異物を誤って流してしまったケースです。具体的には、以下のようなものが該当します。
・おもちゃ
・眼鏡
・文房具
・スマートフォン
・掃除用スポンジ
子どものいたずらやトイレの使用中・掃除中にうっかり落としてしまうなど、理由はさまざまですが、どの場合も便器や配管を外さないと取り除けません。家庭では修理できない原因でもあります。
トイレのつまりを解消する方法
排せつ物や水溶性の紙・尿石が原因のつまりなら、家庭でも修理できます。次は、トイレや排水管の詰まりを解消する方法の中でも、手軽に取り組みやすい方法を解説します。
専用の薬剤や洗剤を使う
トイレ用薬剤や洗剤の中には、つまりや尿石専用の製品があります。つまりが発生したら、これらを使って解消するとよいでしょう。
使い方は、トイレ内をしっかり換気した状態で、規定量を排水口に入れ、指定された時間分だけ放置するだけです。あとはトイレを流せば改善できます。
つまり取り用や尿石専用の薬剤や洗剤は、強力な成分を含んでいるものが多いです。使うときはもちろん、放置中やトイレを流した後もしばらくは換気してください。
また、ほかの洗剤と混ぜて使うと、有毒ガスを発生させるものもあります。使うときは、一種類のみを使うようにし、使用後はしばらく別の洗剤などは使わないようにしましょう。
ぬるま湯を入れて放置する
薬剤などが手元にない場合で、軽度のつまりなら、ぬるま湯を使う方法が活用できます。やり方はとても簡単です。40~50℃のぬるま湯をトイレの排水口に入れ、30分~1時間ほど放置します。その後、水を流してください。
トイレに流せるものの多くは、水に溶ける物質です。お湯を入れることで溶けやすくなれば、トイレを流す力で取り除けます。
なお、熱湯を入れてしまうと便器にヒビ割れができるため、絶対に入れてはなりません。お湯を用意するときは、手で触れられる程度の温度のものを用意しましょう。
ラバーカップや真空ポンプを使う
これまでの方法でうまくいかない場合は、ラバーカップや真空ポンプが有効です。これは配管内を真空状態にし、つまりの元を引き抜く道具で、トイレをはじめとした排水口のつまり取りによく活用されています。
ラバーカップや真空ポンプは、つまりが取れた瞬間汚水が噴き出ることがあるため、使うときは止水栓を閉め、便器とその周りを養生してから作業に取りかかりましょう。
下準備が終わったら、排水口にラバーカップを押し付け、力を込めて引き抜きます。中を塞いでいるものが取れるまで、数回繰り返してください。つまりの元が取れたら、一度止水栓を開け、正常に流れる確認しましょう。
異常が完全に改善されたら、後片付けをしてください。養生を外し、ラバーカップを洗います。汚水に入れたラバーカップは、雑菌で汚れているため不衛生です。そのまましまうと悪臭やコバエの原因になります。きちんと水洗いし、天日干しで完全に乾かしてからしまってください。
ワイヤーブラシを使う
ラバーカップや真空ポンプよりも気軽に使えるのが、ワイヤーブラシです。これはワイヤーの先端がブラシ上になっている道具で、排水口から配管内に入れ、汚れをかき出します。長さのあるものを購入しておけば、配管の奥で発生したつまりにも対応できます。
ラバーカップは扱いにくいと感じている方や、奥の方まできれいにできる道具を探している方におすすめの方法です。
つまりがひどい場合は業者の力を借りることも検討しよう
これまでつまりを取る方法を解説しましたが、まれにこれらの方法では解消できないことがあります。また、異物をつまらせたときは、解説した方法では修理できません。
重度のつまりや異物をつまらせたときは、業者に修理を依頼しましょう。つまりの原因や状況を伝えておけば、スムーズに対応してもらえます。汚水があふれそうな場合や、水漏れしている場合は、その旨も伝えておきましょう。応急処置もしておくと、手早く修理してもらえます。
つまりはどの原因でも放置すれば悪化します。自分の手に負えない状態になったときは、すぐに業者へ連絡しましょう。集合住宅でトラブルが発生したときは、業者の前に管理会社へ連絡してから依頼してください。
まとめ
トイレの排水管で発生するつまりは、軽度の物なら簡単に修理できます。トラブルが発生すると焦ってしまいがちですが、落ち着いて正しい対処をしましょう。つまりは原因や状況に合わせた対応を心がけてください。
自分で修理できないときは、できるだけ早めに業者の力を借りましょう。詰まりは放置すると悪化するため、できるだけ早めの対応を心がけてください。また、普段からトラブルを防止するためにもこまめな掃除を心がけましょう。