水のコラム
2025.03.06
その他
春夏秋冬だけじゃない!日本にある24の季節「二十四節気」【水道職人:公式】
日本の季節は「春夏秋冬」の4つに分けて表しますが、春夏秋冬をさらに6つずつに分ける、「二十四節気(にじゅうしせっき)」という季節があることをご存じですか?
二十四節気という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、カレンダーでも見かける「立春」や「春分」という言葉は、二十四節気の季節の一つです。
二十四節気は、昔は農産業で季節の目安として活躍していました。
現代でも、時候の挨拶として二十四節気は利用されています。
今回は、二十四節気についてご紹介します。
二十四節気ってどういうもの?
「二十四節気」とは、紀元前4世紀頃に発明された、季節の仕分け方です。
1年を「12の節気」と「12の中気」に分けて、さらに12の節気と12の中気には、それぞれ一つずつに季節をあらわす名前が与えられました。
当時の暦には「太陰暦(旧暦)」が利用されていましたが、月の満ち欠けから季節を算出する太陰暦では、季節にズレが生じます。
そのため、季節のズレが生じても春夏秋冬を区分する暦が必要とされており、二十四節気が発明されたのです。
ただし、太陰暦から発生するズレにより、日付は毎年一定ではありませんでした。
二十四節気を発明したのは中国で、日本では平安の頃から取り入れるようになりました。
しかし、日本と中国では地形や気候が異なるため、日本では季節感が合わないことがあったのです。
その合わない部分を補うために、日本では「土用」や「八十八夜(はちじゅうはちや)」などの「雑節(ざっせつ)」が生まれました。
なお、日本では明治6年から「グレゴリオ暦(新暦)」を用いるようになりました。
太陰暦では季節のズレが生じましたが、グレゴリオ暦ではほぼ一定です。
その結果、二十四節気の日付も毎年ほぼ一定となりました。
二十四節気の春
二十四節気の春には、「立春」「雨水」「啓蟄(けいちつ)」「春分」「清明」「穀雨(こくう)」があります。
立春(2月4日頃)
まだまだ寒い時期ですが、暦上では「立春」から春が始まります。
グレゴリオ暦では、1年は1月1日から始まりますが、太陰暦では立春頃にお正月を迎えるため、1年の始まりでもあったでしょう
なお、立春の後に初めて吹く強い南風は「春一番」と呼ばれており、2月や3月頃に春一番という単語を耳にするのは、立春が過ぎているためです。
雨水(2月19日頃)
雪が雨に変わる頃や、積もった雪が溶けだす頃ということで、「雨水」と名付けられました。
雪が解けることで生じた雪解け水が、田畑を潤します。
二十四節気が農産業で活用されていた頃には、農耕を始める目安でもありました。
啓蟄(3月6日頃)
雪が解け、太陽の光が土に当たるようになり、大地は温まります。
温まった大地では虫やカエルたちが冬眠から目覚め、活動を始めるでしょう。
冬眠していた虫やカエルが活動を開始する季節です。
春分(3月21日頃)
昼夜の時間がほぼ同じになり、昼の方が長くなっていく季節です。
「彼岸の中日(ちゅうにち)」とも言われ、「春分」の前後3日間は「春彼岸」と言われています。
国民の祝日の一つでもあるでしょう。
清明(4月5日頃)
「清明」とは、「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」のことでもあります。
春先の植物は、清らかで生き生きとしたさまです。
明るく美しい季節でもあるでしょう。
穀雨(4月20日頃)
「穀雨」は、春雨が農作物に潤いを与えるという意味です。
この季節に種まきを行うと、農作物の育ちが良くなると言われています。
また、穀雨を皮切りに、日差しも強くなっていくでしょう。
二十四節気の夏
二十四節気の夏には、「立夏」「小満(しょうまん)」「芒種(ぼうしゅ)」「夏至(げし)」「小暑(しょうしょ)」「大暑(たいしょ)」があります。
立夏(5月6日頃)
暦上で夏を迎える日です。
雑節である八十八夜の3~4日後が「立夏」です。
新緑が美しい季節であり、日差しが強くなり、気温も高くなっていく季節でもあります。
小満(5月21日頃)
草木の成長が著しい、万物の成長が促される季節です。
田植えが始まる季節でもあり、秋にまいた稲穂が出る季節でもあります。
稲穂が出る季節には少しの満足感を覚えるもので、「小満」と名付けられました。
芒種(6月6日頃)
「芒」とは「のぎ」のことで、芒はイネ科の植物の穂先についている、棘状の突起のことです。
稲などの穀類の種をまくのに適した時期です。
「芒種」を過ぎると梅雨が来ると言われています。
夏至(6月21日頃)
1年で最も昼が長く、夜が短いと言われている日です。
梅雨の期間に該当するため、日の長さや夜の短さを実感することは少ないかもしれません。
田植えが盛んな季節でもあり、農産業では忙しい時期です。
小暑(7月7日頃)
暑さがこれから本格的になっていくという意味から、「小暑」と名付けられました。
暑中期間でもあります。
梅雨が明けている季節ですが、7月7日は七夕でもあるため、「催涙雨(さいるいう)」の影響で梅雨明け感は少ないかもしれません。
また、現代の日本ではすでに酷暑に入っている季節です。
大暑(7月23日頃)
「大暑」は、暦上では最も暑い時期という意味です。
現代の日本では、夏は最も暑い日が常に続いている状態で、大暑の季節は特に暑いという空気は感じにくいでしょう。
大暑も暑中期間であり、暑中見舞いを出すと言われている季節です。
なお、土用の丑の日が前後に来る年もあります。
令和7年は、7月19日と31日の2日間が土用の丑の日です。
二十四節気の秋
二十四節気の秋には、「立秋」「処暑(しょしょ)」「白露(はくろ)」「秋分」「寒露(かんろ)」「霜降(そうこう)」があります。
立秋(8月7日頃)
酷暑真っ盛りですが、暦上では「立春」は秋の始まりです。
立春を境に、暑中見舞いは残暑見舞いに切り替わります。
立秋を皮切りに、秋めいた風が吹いたり、秋の虫が活動を開始したりするでしょう。
処暑(8月23日頃)
夏の気配が随分と収まり、秋の気配が色濃くなる時期です。
萩の花がきれいな季節でもあり、穀物が実り始める季節でもあるでしょう。
「処暑」の「処」には、暑さが終わるという意味があります。
白露(9月8日頃)
本格的な秋の到来を感じられる季節で、「白露」は草花に朝露が付き始めることから名付けられました。
「中秋の名月」という行事がありますが、これは白露の行事の一つです。
秋分(9月23日頃)
「春分」と同様に、昼夜の長さがほぼ同じになる日です。
ただし、春分とは違い、「秋分」を過ぎると昼の時間が短くなり夜の時間が長くなるでしょう。
「秋彼岸」の中日でもあり、国民の祝日の一つでもあるでしょう。
寒露(10月8日頃)
秋晴れの日が多くなり、秋雨が収まり、本格的な秋が始まります。
北では紅葉の季節の始まりでもあるでしょう。
紅葉は、北から南へと南下していくのです。
霜降(10月23日頃)
早朝に霜が降り始める季節であることから、「霜降」と名付けられました。
この頃には、紅葉が鮮やかな地域も増え、紅葉狩りを楽しむ方も多くいらっしゃるでしょう。
朝晩の冷え込みが厳しくなるため、冬支度を始める季節でもあります。
二十四節気の冬
二十四節気の冬には、「立冬」「小雪(しょうせつ)」「大雪(たいせつ)」「冬至」「小寒(しょうかん)」「大寒(だいかん)」があります。
立冬(11月7日頃)
「立冬」とは、暦上で冬を迎える日です。
朝晩はグッと冷え込むようになり、木枯らしも吹いているでしょう。
また、日照時間が減り、日中の日差しも弱まります。
「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の4つの季節の始まりを、「四立(しりゅう)」と言います。
小雪(11月22日頃)
雪の量がまだ少ない冬という意味で、「小雪」と名付けられました。
草木が枯れ、落ち葉が増える季節で、目に入ってくる景色も冬の装いになっているでしょう。
小雪はお歳暮の準備を始める目安にされてきました。
大雪(12月7日頃)
山間部では雪の量が増え、平野でも雪が降り始める季節です。
本格的な冬の到来で、「大雪」を皮切りにニュースで雪景色を見ることも増えるでしょう。
動物たちは冬眠を始め、人々は年末年始のための準備を開始します。
寒い時期ではありますが、冬の漁業が盛んな季節です。
冬至(12月22日頃)
1年で最も夜が長く、昼が短い日です。
太陽の位置も低いため、日差しをほとんど感じないでしょう。
しかし、「冬至」の翌日には、日差しが元に戻るため、冬至の翌日は運が向いてくる日だと言われています。
また、冬至には無病息災や厄払いを願い、柚子湯に入ったりカボチャなどの冬至の七種を食べたりします。
小寒(1月5日頃)
「寒の入り」と言われている季節です。
寒さが厳しくなり、これから冬が本格的に始まることを告げる時期でもあります。
「小寒」は「寒中」でもあり、寒中見舞いを出す目安だと言われています。
大寒(1月20日頃)
1年で最も寒さが厳しい季節です。
「大寒」が過ぎれば春が来ると言われているでしょう。
凍り豆腐や味噌などの、寒気(かんき)を利用して作る食べ物を仕込む季節でもあります。
大寒も寒中です。
兵庫県の二十四節気
兵庫県では、二十四節気に合わせて行事が行われています。
ニュースにもなっているのでご存じの方がいらっしゃるかもしれませんが、2つの行事が有名です。
現代でも続く二十四節気の行事を大切にしている姿は、テレビ越しでしか見たことはありませんが、とても和やかな気持ちにしてくれます。
小寒
一つは、兵庫県市川町にある「延寿寺(えんじゅじ)」で行われる、「寒水行(かんすいぎょう)」です。
100年以上の歴史を持つこの行事は、無病息災や家内安全のために行われます。
この寒水行は、延寿寺の開祖が、近くを流れている市川で水業を行ったことが始まりだと言われています。
寒水行は毎年「小寒」の午前5時に行われますが、2025年は0℃と気温がとても低く、身を切るような寒さの中で、冷水を勢いよく浴びたのです。
参考:小寒の朝、冷水かぶる「寒水行」100年続く伝統行事、1年の無病息災祈る 市川町の延寿寺┃神戸新聞
霜降
もう一つは、兵庫県神戸市の六甲山にある六甲山小学校で行われる行事です。
六甲山小学校では、毎年「霜降」に「火入れ式」を行います。
この火入れ式とは、子どもたちが起こした火を用いて、薪ストーブに火を点けることです。
六甲山小学校は、標高800m近いとても寒い場所に建っているのです。
火入れ式を行うストーブは六甲山小学校の玄関の近くにあり、2024年は4~6年生の約30人の子どもたちが、下級生が見守る中、火入れ式を行いました。
この日は雨の影響で湿度が高く、火を起こすことに難航したようですが、無事に火入れ式を行えました。
六甲山小学校では、気温が10℃を切ると、ストーブを使えるルールのようです。
参考:神戸 六甲山にある小学校でストーブの火入れ┃NHK