水のコラム
2023.07.01
水漏れのトラブル
ゴムフロートが傷んだら取り替えよう!そのままにすると水漏れの危険もある
トイレ水槽内部にあるゴムフロートを知っていますか?耳にしたことはあっても実際にどういった役割を担っているのかは理解していない人も多いでしょう。
しかし、ゴムフロートはトイレをスムーズに使う上でなくてはならないものなのです。そこで今回は、ゴムフロートの役目や傷んだゴムフロートの取り替え方法について解説します。
トイレ水槽内のゴムフロートの役目
ゴムフロートは、トイレ水槽内にある水が便器内へ流れつかないようにせき止めるパーツのことです。このゴムフロートが開くことによって、水槽内部の水が便器の方へと流れていきます。
トイレの水を流すレバーのところを引くと、接続している鎖が引っ張られることでゴムフロートが開いて、水が流れていくという構造です。このゴムフロートが老朽化してしまうと、予期せぬ水の問題に遭う危険が高くなります。
トイレの水の勢いが止まらなくなったり、使っているとき以外でも水がチョロリチョロリと流れたりするなど、大変になります。その事態を避けるためにも、自宅のゴムフロートに問題がないかをチェックしてみましょう。
ゴムフロートに問題があるかのチェック方法
ゴムフロートに問題があるかどうかをチェックする方法として、4つの手段を解説します。
ゴムフロートが外れていないか
最初に、水槽下の出ている部分に確実にゴムがはめられているかを確認してみましょう。ゴムがずれたり外れたりしているケースでは、ゴム箇所を突起部分にはめて、その後水が止まるかをチェックしてください。
ゴムフロート部分の老朽化
水を流した際に、以前と比較して水圧が強まったり、水が停止するまでの時間が長くなったりしたら注意が必要です。ゴムフロートが傷んで欠けたり亀裂が入ったりすると、トイレ水槽内の水が便器の方へひとりでに流れついてしまいます。
したがって、水が流れ続けて水漏れが発生してしまうのです。
ただし、トイレ水槽を開けてみても、ゴムフロートの老朽化は外見ではわかりづらいものです。その場合は、ゴムフロートのゴム箇所に触れてみるのが良いでしょう。ゴム箇所に触れた時点で、黒っぽい墨のような色物が手に付着する場合、取り替え時期の目安です。
ゴムフロートには寿命があり、目安は4〜8年くらいといわれています。よって、トイレ設置開始から4〜8年くらい経過しているケースでは、一回点検を考えてみても良いでしょう。
トイレ水槽内の鎖
トイレ水槽内にあるレバーの先端には、鎖が設置してあります。その鎖がピンと張りすぎて長さに無理があると、ゴムフロートが完全に閉じられないので水が止まらない原因になります。程よいたるみが残されているかチェックしてみてください。
トイレの水を流すためのレバー
トイレの水を流すためのレバーも、長い期間の使用でサビつきや水アカなどの理由で動きが悪くなる場合があります。したがって、ゴムフロートが完全に閉じられなくなり、水が流れ出ていくのです。
錆防止剤を使用すると、錆が防げる、かつレバー動作もスムーズになるので、実践してみてください。
水が便器にわずかずつ流れるということは、水道のカランをいつも出しているのと同じことです。したがって、水道費用の請求が急に大幅に増額したときは、トイレの水漏れを確かめるとよいでしょう。
ゴムフロートの種類と選ぶ方法
ゴムフロートを取り替えようと考えても、どう選ぶべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。ゴムフロートには、主に2つの種類があります。1つ目はフロートが爪のところに引っ掛かっており90度に開け閉めできる種類です。
2つ目は球形になっており、上と下に動いて開け閉めできる種類です。水槽の形が、隅がついた水槽か密結した水槽なのかで、そのサイズは違ってきます。購入の場合は旧ゴムフロートを持ち込むか、メーカーとゴムフロートの形式をメモしておくとスムーズでしょう。
ゴムフロートの取り替え手順
以下、ゴムフロートの適切な交換手順を紹介します。
道具の用意
はじめに、ゴムフロートの交換に必要となる道具を用意しておきます。ゴムフロートの交換作業には、新品のゴムフロートと止水栓の開け閉め動作に使うマイナスドライバー、手の汚れを防ぐための手袋を用意しておくと良いでしょう。
水槽内の水抜き作業をする
手袋をつけたら、マイナスドライバーを使用して止水栓を閉めていきます。止水栓を閉めておくと、水槽内に給水される水を停止できます。この際、使うドライバーを慎重に選んでください。
電動式のドライバーは威力があり、止水栓を破壊する危険があるので、必ず手動タイプのドライバーを用いましょう。止水栓を閉めて給水を停止させてから、水槽につくレバーを引いて水槽内の水抜きをしてください。
旧ゴムフロートを取り外す
続いて、水槽内部に手を入れて、レバーにつながる鎖を取り外します。そのあと、オーバーフロー管(給水管から水が停止しない場合に、水槽内から水が溢れ出るのを防止する菅)のつなぎを取り外します。
オーバーフロー管を水槽から取り外さずにゴムフロートの取り替えできますが、取り外すことでその下部にあるゴムパッキンも同時に取り替えられます。
新品のゴムフロートを設置する
オーバーフロー管の水アカを洗い落として清潔にしたあとは、新品のゴムフロートを設置していきましょう。作業手順は、オーバーフロー管に設置したあとに鎖を引っ掛けるという、取り外し作業と反対の順序でするだけです。
鎖の長さ調整
仕上げに、ゴムフロートからレバーまでの鎖の長さを定めます。鎖の長さでトイレに流す水分量が決まるからです。
鎖を短くすると流れる水分量は多くなります。反対に、鎖を長くすることで流れる水分量が減ります。よって、自宅のトイレに合わせて適量となるように鎖の長さを調節しましょう。
なおトイレ水槽から水が止まらない場合
ここまでの工程をおこない、なおトイレ水槽からの水が止まらない場合には、トイレ修理の専門家に依頼するのがおすすめです。ゴムフロートが理由でトイレに問題が起こった場合、自力修理もできますが、適切な方法を取らなければ、状況をさらに悪化させてしまう危険があるからです。
したがって、できる限り安心して状況を解消したい場合、適切な修理をおこなえるトイレ水漏れ修理専門業者に問い合わせするのがよいでしょう。専門家であれば、初心者にはわかりづらい問題を解消でき、確実に対策もしてもらえます。
ゴムフロートが原因ではない場合
ゴムフロートが原因の問題には、「水の流れが止まらない」もしくは「水が流れていかない」などがあります。ただし、これらの問題はゴムフロートだけに理由があるとは考えられません。
例をあげると、水の流れが止まらないといった問題では、トイレ水槽内のボールタップの不具合、ゴムパッキンの老朽化、固形物のつまりが原因となっている場合もあるのです。水が流れていかないといった問題では、止水栓の閉まりトイレ水槽内にある浮き玉のつっかかりといった原因かもしれません。
以上のように水問題は、単一の症状に複数原因が関わっている場合がほとんどです。原因を明らかにすることは、その後の対処をスピーディーに決めていく上で大事なことです。自分では原因を見つけられない場合は、見切り発車で手を出さない方が良いでしょう。
まとめ
老朽化したゴムフロートをそのまま使用すると、水漏れの危険もあるので早めの対処が必要になります。
具体的な対処方法については先述の通りですが、業者に依頼することも踏まえて一度修理業者に相談してみるのも良いでしょう。