水のコラム
2022.12.26
蛇口のトラブル
くわしく解説！蛇口が水漏れした時の対処方法
蛇口の根元付近では水が常に滴っているので、水漏れの発見が遅れることが多々あります。
しかし、何回拭いても水が滴っている時は水漏れを疑っていいでしょう。
根元付近の水漏れにははっきりとした理由があります。この記事では、蛇口が水漏れしている時の対処方法をくわしく解説していきます。
蛇口の根元部分から水漏れする原因とは
蛇口の根元部分から水漏れする時、蛇口自体に不具合が起きてしまったのではないかと心配になるかもしれません。しかし、実際は蛇口本体にひびが入るという理由で水漏れになることは稀です。
なぜかというと、蛇口には青銅メッキという材料が用いられており、同材料は耐久度が高く、ひびが入ることや穴があくことがほとんどないからです。
もちろん、清掃のときに蛇口へ過度な圧力をかけてしまったり、引っ越しのときに蛇口の上部へ物を落とし、ショックを与えたりした場合だと壊れてしまいます。
ただ、日常の使用目的で本体が壊れることはありません。それでは根元部分から水漏れする時の原因とはどのようなものでしょうか。蛇口の水漏れで多い原因は以下の2通りです。
・カートリッジの老朽化
・パッキンの傷み
カートリッジ・パッキンともに、蛇口の内側にあるパーツです。この2種類のパーツが水漏れの原因になることがほとんどです。
カートリッジの老朽
ほとんどの家で設置されているシングルレバー式混合水栓の内部には、カートリッジというパーツが組み込まれています。カートリッジは水の量と温度をコントロールしており、蛇口システムの司令塔と呼べるパーツです。
もしもカートリッジがもとで水漏れが生じた場合、どのような事例が考えられるでしょうか。
蛇口レバーを稼働させるごとに、カートリッジには一定の圧力や負担がかかり、パーツ本体が時間経過につれて摩耗していき、正確に働かなくなる場合があります。
くわえてカートリッジに使用されている材料はプラスチック製なので、湯熱に長期間当たり続けると老朽化が進行します。経年使用の老朽化による損壊がもとで水漏れすることがあるでしょう。一般的に10年程度でカートリッジの寿命が訪れ水漏れする事例がほとんどです。
パッキンの傷み
つづいてパッキンが原因で水漏れする事例を紹介します。混合水栓と単水栓の蛇口ではパッキンは必須アイテムです。
パッキンはゴム製なので弾む力と伸び縮みする力があり、水圧に合わせて蛇口内の水の通り具合を抑制します。伸び縮みする幅はコンマ数ミリぐらいのものですが、この伸び縮みによって水漏れを避ける仕組みとなっています。
ゴム部分は経年劣化し、硬直していく性質を持っています。パッキンが硬直すると伸び縮みしなくなり、水漏れする原因となるのです。
蛇口の根元部分からの水漏れを修理する方法
蛇口の根元部分で起こる水漏れを修理する方法をくわしく解説していきます。
シングルレバー型の蛇口箇所の修理方法
シングルレバー型の蛇口箇所の修理方法を説明します。蛇口から出水している場合に根元部分から水漏れしている時の修理方法を説明します。蛇口使用時に水漏れしている状況だと、パッキンが原因の場合がほとんどです。
以下、パッキンの取り替え方法を解説します。
・ハンドルレバーを取り着脱する
・ハンドルレバー下のパーツを取り着脱する
・蛇口のボディを取り着脱する
・パッキンを取り替える
・各パーツを元通りにして動作チェック
作業前に止水栓を閉めてください。止水栓を閉めないと修理中に水がもれ出し、周辺が水浸し状態になります。レバーを取り着脱する時は、マイナスドライバーを用いて上部分のネジを取り外してください。
取り外したネジは紛失しないように注意しましょう。レバーパーツを取り外した後は、下のパーツを上に移動させて着脱していきます。
この箇所は固まっているので、モンキーレンチを用いて慎重にゆるめるように取り外してください。左側方向へ回していくとゆるめられます。根元箇所のパッキンは2つあるので、どちらも取り替えてください。取り替えが完了したら全パーツを元通りにし、止水栓を開けて動作をチェックします。
ハンドル型の蛇口箇所の修理方法
お風呂場で使用されることが多いハンドル型の蛇口箇所の修理方法を解説します。ハンドルの根元付近から水漏れしている状況だと、内側のパッキンが原因の場合が多いです。
パッキンの取り替え方法は以下の通りです。
・ハンドルを取り着脱する
・カバーナットを取り着脱する
・現状のパッキンを取り着脱する
・新品パッキンを取り付ける
・各パーツを元通りにし、動作チェック
ハンドル上の方には青色や赤色の色付きビスがあるので、マイナスドライバーを用いて取り外してください。
つづいて、プラスドライバーでハンドルを留めているネジ部分を取り外し、ハンドル本体を着脱します。ハンドルの根元部分にカバーナットがあるのでレンチを使用して取り外してください。その後、使用していたパッキンを外し、新品パッキンを取り付けましょう。
サーモスタット型の蛇口箇所の修理方法
サーモスタットタイプの蛇口はお風呂場で頻繁に使用されています。温度調整ハンドルで水温を適切に設定可能な蛇口タイプで、オート機能で水温を一定に維持してくれます。
カランの根元付近から水漏れする時、本体内側にある開閉用バルブが摩耗しているか、不具合を起こしていることがあります。
下記の手順で開閉バルブを取り替えしてください。
・止水栓か元栓を閉める
・ハンドルを着脱する
・表示リングを着脱する
・固定ナットを着脱する
・スペーサーを着脱する
・使用中の開閉用バルブを着脱する
・新品の開閉用バルブを取り付ける
・各パーツを元通りにし、動作チェック
蛇口のタイプによっては、ハンドルを横へ引っ張りだすだけで外せます。表示リングとは、シャワーやカランと表記してあるパーツです。着脱する時にリングを押し曲げながらずらす必要がありますが、押しすぎると折れるので注意してください。
水道業者へ蛇口根元部分からの水漏れ修理を依頼する時のポイント
ここからは、水道業者へ水漏れ修理を依頼する時のポイントをお伝えします。
・実績
水道業者の過去実績を調べるようにしてください。業者のサイトを見ると営業年数が分かります。同地域で20年以上営業してきた業者は、良い仕事をしているといえるでしょう。
・資格を持っているか
管工事施工管理技士や、建築配管技能士の1級・2級をもっている作業員がいる事業者は信頼できます。給水装置工事主任技術者がいる水道業者は、指定給水装置工事事業者として認められています。
指定給水装置工事事業者とは、地方自治体が安全な工事をするために必須な技術と機材を保有していると認めた事業者のことです。
蛇口根元の水漏れ修理費用
修理費用の相場は以下の通りです。
・蛇口のパーツ取り替え：技術料金が1,500円程度、出張費が4,000円程度、パーツ費用が1,000～4,000円
・蛇口本体の交換：技術料金が8,000円程度、出張費が4,000円程度、パーツ費用が1万円程度
水道業者によっては、技術料金と出張費が含まれて3000円や5000円の場合があります。
各事業者や工事現場によって以上の費用は異なるので、見積もりをよく確認しましょう。
まとめ
この記事では、蛇口が水漏れした時の対処方法をくわしく解説してきました。本記事内でお伝えしたように、水漏れの原因はカートリッジの老朽化とパッキンの傷みの2点です。
この2パーツのメンテナンスは日頃から意識して行うようにしましょう。また、蛇口タイプごとの修理方法もぜひ参考にしてみて下さい。
