水のコラム
2024.06.11
お風呂のトラブル
お風呂の排水口に水が溜まるタイプはどれ?手入れの方法を解説!
お風呂の排水口は、洗い場からの排水と、浴槽からの排水が同じになっていることが多く、合わさって1つの排水管へと流れていきます。
そのため、一時的に水が溜まることが多い傾向にあるのです。
しかし、それ以外にもお風呂の排水口に水が溜まる原因はさまざまです。
本記事では、お風呂の排水口に水が溜まる原因や手入れの仕方などを解説します。
お風呂の排水口でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
排水口に水が溜まる原因
お風呂の排水口に水が溜まる原因は、以下が挙げられます。
- ●髪の毛やせっけんカスなどが排水口につまっている
- ●排水管のサビや破損
- ●排水管の逆勾配や勾配不足
- ●排水ボックスに汚れなどが溜まっている
- ●自然災害による逆流など
- ●排水ボックスの周りに樹木が生えている
それぞれの原因について解説します。
髪の毛やせっけんカスなどが排水口につまっている
お風呂の排水には、頭や体を洗った際の髪の毛やせっけんカスなども含まれています。
髪の毛やせっけんカスは取り除かないと、やがてヘドロへと変化していき、細菌が繁殖するでしょう。
ヘドロは排水口を塞ぎ、水の流れを堰き止め、お風呂の排水口から水が溢れてしまいます。
排水管のサビや破損
排水管とは、家庭で出た排水を下水道へと運ぶ通路です。
排水管がサビたり、破損したりすると、空気が入ることにより水圧が低下して、水の流れが悪くなることがあります。
また、サビは排水管の内側に付着し、通路を狭めてしまうため、水の流れが制限されて、水が溢れてしまうことがあるでしょう。
排水管の逆勾配や勾配の不足
排水管は、通常下水道へと水が流れていくように、勾配と呼ばれる傾斜があります。
しかし、地震などによる地盤沈下やリフォーム時の施工不良によって、本来の傾斜とは逆方向に傾いている逆勾配や勾配不足が起きて、水が逆流してしまうことがあるのです。
排水ボックスに汚れなどが溜まっている
排水ボックスは、屋外にある家庭から出た排水が下水道へ流れ込む点検口です。
基本的に排水ボックスには蓋がされていますが、蓋に隙間があったり、外れていたりすると、ゴミや汚れが入ってしまいます。
ゴミや汚れが下水道を防ぎ、水の流れを止めてしまうことで、お風呂の排水口から水が溢れてしまうでしょう。
排水ボックスは、自分で修理や掃除を行えないため、業者に依頼してください。
自然災害による逆流など
大雨や台風などの自然災害によって逆流が生じることもあります。
大雨や台風によって、大量の水が下水道に流れ込み、下水道が雨水などでいっぱいになると、水の入る隙間がなくなり、浴槽の排水口へと逆流します。
排水ボックスの周りに樹木が生えている
排水ボックスや排水管の周辺に樹木が植えられている場合には、根や木などが排水ボックスや排水管へと侵入することがあります。
一度根が侵入すると、排水枡やポンプ内を占拠し、水を堰き止めてしまい、自分では対処できません。
根や木が侵入した場合には、業者に排水枡や排水管を切断してもらう必要があります。
排水口には3種類の排水トラップがある
お風呂の排水口には、3種類の排水トラップがあります。
ここでは、排水口の排水トラップの種類や、水が溜まるタイプの排水口について解説します。
排水口の排水トラップの種類
排水口の排水トラップには以下の3種類があります。
- ●ワントラップタイプ
- ●ドラムトラップタイプ
- ●管トラップタイプ
それぞれの排水トラップの特徴を解説します。
ワントラップタイプ(椀トラップタイプ)
ワントラップとは、お椀型の被せ物があり、その外側に封水が溜まる排水トラップです。
排水管は髪の毛などのゴミが入り込むのを防ぐ目皿や、プラスチック製の椀がネジで固定されているもの、目皿と椀が別になっているものがあります。
また、建物の築年数が古いと、鉄製の椀が使用されていることもあるでしょう。
手を入れて掃除ができるため、手入れがしやすいというメリットがある一方で、封水が蒸発し、悪臭や害虫が発生しやすいというデメリットがあります。
ドラムトラップタイプ
ドラムトラップタイプとは、ドラム型の貯水タンクがある排水トラップで、ほとんどのお風呂で取り入れられています。
封水をたくさん貯められるため、蒸発することはほとんどなく、排水管の空気が逆流する破封が起きにくいというメリットがあります。
ただし、貯水タンクの掃除ができないため、なかが汚れやすいのがデメリットです。
管トラップタイプ
管トラップタイプとは、S字やU字になっている部分に封水を貯めておく排水トラップです。
なかには、髪の毛やゴミの侵入を防ぐ目皿があり、下にS字とU字の排水管があります。
3種類の排水トラップのなかで最も封水が蒸発しやすいため、定期的に水を流して蒸発予防が必要です。
水が溜まりやすい排水口のタイプ
ワントラップタイプ、ドラムトラップタイプ、管トラップタイプの3種類のなかで水が溜まりやすい排水口のタイプは、ドラムトラップタイプです。
ドラムトラップタイプは汚れが溜まりすぎると、排水口に水が溜まってしまいます。
汚れの程度は目視できないため、定期的に液体パイプクリーナーなどの洗浄剤を使用して掃除するなどの対策が必要です。
お風呂の排水口ではドラムタイプの排水トラップが多い
ドラムトラップは近年のお風呂で使用されています。
長方形型の目皿の場合は、ほとんどがドラムトラップだと考えて良いでしょう。
ここでは、そんな近年では最もメジャーなドラムトラップの特徴と、手入れの仕方について解説します。
ドラムトラップの特徴
ドラムトラップの特徴は、以下のとおりです。
- ●破封が起きにくい
- ●汚れや悪臭が発生しやすい
それぞれの特徴について解説します。
破封が起きにくい
破封とは、排水トラップ内にある封水がなくなり、下水道から悪臭が逆流して室内に漂う現象です。
ドラムトラップは封水が多く蒸発しにくいため、破封が起こりにくくなっています。
汚れや悪臭が発生しやすい
ドラムトラップは、ドラム型のタンクに封水を貯めますが、タンクのなかには手が届きません。
そのため、掃除をすることは難しく、ゴミや汚れなどが溜まりやすくなっています。
また、悪臭が室内に侵入してくるのを防ぐ役割を果たす封水が蒸発しやすいため、悪臭もしやすいのがデメリットです。
定期的なパイプクリーナーで手入れをしよう
ドラムトラップは、手を入れて掃除をすることができず、汚れも目視できないため、定期的にパイプクリーナーで洗浄するのがおすすめです。
パイプクリーナーであれば、見えない排水管のなかでもきれいに汚れを落としてくれるでしょう。
古いお風呂の排水口ではワントラップタイプが使用されている
築年数が古い建物などの古いお風呂の排水口は、ほとんどの場合ワントラップが使用されています。
ワントラップは、お椀の裏に汚れが溜まりやすく、汚れがやがてつまりを引き起こす可能性があるため、定期的に掃除して汚れを除去しましょう。
【汚れの種類別】お風呂の排水口の掃除方法
排水口は、以下の理由で汚れが蓄積されます。
- ●垢や皮脂
- ●髪の毛つまり
- ●石鹸カス
- ●カビ
ここでは、汚れの種類別にお風呂の排水口の掃除方法を解説します。
垢や皮脂
お風呂の排水口は、垢や皮脂によってヌメリが生じます。
垢や皮脂汚れは、歯ブラシなどの小さなブラシでこすって汚れを落とすのが効果的です。
また、ひどいヌメリ汚れには、浴槽用の中性洗剤を使用するときれいに落ちるでしょう。
浴槽用の中性洗剤を使用した掃除方法は、以下の手順で行います。
- 1.目視できるゴミは手で取り除く
- 2.お風呂の排水口の部品を取り外す
- 3.すべての部品を歯ブラシやスポンジなどでこすり洗いをする
- 4.お風呂の排水口のなかの手が届く範囲も歯ブラシやスポンジで擦り洗いをする
- 5.水で洗い流す
- 6.取り外した部品を先ほどと逆の手順で戻す
素手で洗うと、手荒れの原因になる恐れがあるため、ゴム手袋やビニール袋等を使用して洗いましょう。
髪の毛つまり
お風呂で頭を洗う際には、たくさんの髪の毛が抜け落ちます。
髪の毛は排水口をすぐにつまらせてしまうため、目視できる髪の毛はこまめに取り除いておきましょう。
直接髪の毛を手で触りたくない場合には、便利グッズを使用するのがおすすめです。
たとえば、粘着型シートをヘアキャッチャーの上に取り付けると、髪の毛を触ることなく捨てることができます。
また、小さめのブラシなどを使用すると、簡単に髪の毛を集められるでしょう。
手が届かない箇所につまっている髪の毛は、パイプクリーナーを使用するのがおすすめです。
パイプクリーナーを使用した掃除方法は、以下のとおりです。
- 1.手で届く範囲の髪の毛を取り除く
- 2.お風呂の排水口に規定の量のパイプクリーナーを流し込む
- 3.規定の時間放置する
- 4.水で洗い流す
パイプクリーナーは髪の毛つまりだけでなく、悪臭予防にも効果的であるため、定期的に行うのがおすすめです。
石鹸カス
石鹸カスも垢や皮脂と同様に、浴槽用の中性洗剤で洗い流すのが効果的です。
また、重曹とクエン酸(酢)を使用してヌメリを取り除くのも良いでしょう。
重曹とクエン酸を使用した掃除方法は、以下のとおりです。
- 1.水100mlとクエン酸小さじ1/2を混ぜる
- 2.お風呂の排水口に重曹100gを全体にふりかける
- 3.お風呂の排水口に1で作ったクエン酸水を流し入れる
- 4.30分程度放置する
- 5.水で洗い流す
重曹とクエン酸を使用した方法は、化学反応で発生した泡で汚れを落としてくれるため、こすり洗いをする必要がありません。
こすり洗いを億劫に感じる方は、重曹とクエン酸を使用すると良いでしょう。
カビ
頑固なカビ汚れには、カビキラーを使用して掃除するのがおすすめです。
カビキラーを使用した掃除方法は、以下のとおりです。
- 1.お風呂の排水口の部品を取り外す
- 2.取り外した部品や排水口のカビが気になる箇所に、15㎝程度離れたところからカビキラーをスプレーする
- 3.2~3分程度放置する
- 4.水で洗い流す
カビキラーなどのカビに特化した洗剤は、塩素系の洗剤であるため、使用する前にまずは換気を行いましょう。
また、ゴム手袋やマスクなどを使用して、肌に振れないように気を付ける必要があります。
塩素系洗剤は酸性洗剤と併用すると有毒ガスを発生するため、併用しないようにご注意ください。
まとめ
お風呂の排水口は、ワントラップタイプ、ドラムトラップタイプ、管トラップタイプの3種類あります。
排水口のタイプによって、水の溜まりやすさは異なります。
汚れの種類別に効果のある掃除方法が異なるため、お風呂の排水口に水が溜まってしまった場合には、汚れに合わせて掃除しましょう。