水のコラム
2023.01.26
水回り
水道蛇口の寿命はいつ?故障の原因と応急処置を解説
住宅設備にはすべて寿命があります。水道の蛇口も、例外ではありません。壊れてしまうと、水漏れなどが起き、慌ててしまう方もたくさんいます。そこで、いざというときでも落ち着いて対応できるよう、故障の原因や故障時の応急処置などをまとめました。
また、蛇口の寿命や種類もあわせてご紹介します。寿命や種類などの知識があれば、故障が出る前に修理を依頼することもできるようになります。この記事で勉強しておきましょう。
蛇口の寿命は大体10年程度
蛇口は大体10年程度で寿命が来るといわれています。故障は使用頻度や使い方も影響するため、状況によりもっと早く故障することもあります。寿命が近くなると故障や不具合が起きやすくなるため、それを目安にしましょう。
寿命がきた蛇口は交換しなくてはなりません。その場しのぎの修理をしても、すぐに別の故障が起きてしまうためです。寿命の近い蛇口があるなら、業者へ交換を依頼しましょう。
蛇口の種類
蛇口は大きく分けてふたつの種類があります。それぞれの特徴を知っておくと、故障を見分けるのに役立ちます。蛇口の種類を覚えておきましょう。
単水栓
ひとつの蛇口から水またはお湯鹿でないタイプです。温度調節ができません。屋外の水栓中や洗濯機用の蛇口に採用されています。
混合栓
ひとつの蛇口から水とお湯が出るタイプです。レバーや栓がふたつずつついているタイプの蛇口が該当します。片方ずつはもちろん、両方を同時にひねることで、温度調節もできます。
キッチン・お風呂・洗面台などに採用されることが多く、屋内で使うイメージが強い蛇口です。
混合栓には給水管の穴がひとつのワンホール混合栓と、ふたつあるツーホール混合栓があります。ツーホールの場合、取付穴の間に距離があり、この距離により取り付けられる蛇口が変わります。設置の際は、取付穴の距離を測っておかなくてはなりません。
また、混合栓はシンクや洗面台などの台に取り付ける台付き型と、壁に取り付ける壁付き型があります。台付きと壁付きは同じ混合栓でツーホール型ですが、取り付け方が違うため、こちらにも注意が必要です。
水道の蛇口が壊れたときによくある症状
蛇口の寿命や種類を押さえたところで、水道が故障したときの症状を学んでいきましょう。蛇口の主な故障や不具合を解説します。
水が止まらない
蛇口のハンドルやそれにつながる栓に異常が起こると、蛇口をひねっても水が止まらなくなります。また、水量の調節も聞かなくなります。症状の出始めは、しずくがポタポタ垂れる程度のため、気が付かない方も多いです。
しかし、放置すると悪化するうえに水道代もかかります。ポタポタ垂れる程度だからいいやと、長期間放置したために、高額になった水道代を支払う羽目になったケースもあります。
蛇口をしっかり締めてもいつまでもしずくが垂れている場合や、ひねっても手ごたえがなく、水量が変わらないなどの場合は、すぐに修理が必要です。
温度調節ができない
混合栓によくある故障です。温度調節レバーがついているタイプだと、レバーを動かしても温度が変わらないなどが症状になります。また、お湯の蛇口をひねってもお湯が出ない・いつまでたっても温かくならないなども症状のひとつです。
蛇口側の故障としては、温度調節レバーの中にある軸の故障があげられます。また、お湯側の蛇口の軸が故障することもあります。このほか、蛇口ではなく給湯器が故障して、同じような症状が出るケースもあり、故障原因はさまざまです。
温度調節レバーなどは自分でも修理できますが、細かい部品を扱うためとても大変です。給湯器など別の設備が故障している可能性もあることを考えると、業者に依頼した方がよい故障といえるでしょう。
水漏れ
蛇口の故障の中でも特に多い症状です。シンクや洗面台などの台・壁などの接合面や、蛇口のパーツの隙間など、さまざまなところで発生する故障でもあります。
蛇口自体の破損で起こることもあれば、パッキンや接合パーツなどの部品が壊れて発生することもある故障です。水がポタポタ垂れるかと思ったら、別のところでパーツ破損が発生していたなどのケースもあります。
蛇口ならどのタイプでも発生する故障のため、複数発生することも多いです。お風呂場や洗面台などの濡れることが多い場所だと気が付きにくく、放置して悪化したケースもあります。ほかの症状同様、発見し次第すぐに修理が必要です。
トラブル発生時の応急処置方法
蛇口にトラブルが発生すると、周りが水浸しになるなどの被害が発生します。業者を呼ぶ前に、今以上に被害が広がらないよう対策しなくてはなりません。トラブル発生時の応急処置方法を覚えておきましょう。
止水栓を閉める
水漏れなど、水が止まらないときは蛇口への給水を止めなくてはなりません。該当する蛇口の止水栓を閉めましょう。
止水栓は場所により異なります。キッチンや洗面所は、下の収納部分にあります。蛇口のようなハンドル、またはマイナスネジのついた配管を探してください。お風呂は壁と蛇口のつながっている部分に、トイレはタンクと壁がつながる部分に設置されています。
蛇口ハンドルのタイプはそのままひねれば閉められますが、マイナスネジはマイナスドライバーなどが必要です。もっていない場合は、コインなどをネジ穴に差し込んで対応しましょう。
なお、止水栓は回した回数で蛇口に供給する水量を調節しています。水量が多くても少なくても、修理後の不具合につながるため、閉めたときの回数を覚えておきましょう。開けるときは、閉めたときと同じ数だけ回してください。
水道の元栓を閉める
止水栓の場所が分からない・閉められない場合は、水道の元栓を閉めてください。元栓を閉めれば、止水栓を閉めなくても水を止められます。元栓は住居のタイプにより個数や形状が違うため、ご注意ください。
集合住宅は屋外にあります。戸館の場合は室内外にあり、床に「水抜栓」などの記載があるふたを探してください。
なお、元栓を閉めてしまうと正常に使える設備も使えなくなります。思わぬ故障を避けるため、修理が完了するまで設備を使わないようにしましょう。
蛇口の修理は自分でできる?
蛇口の修理は、工具や交換パーツがあれば、自分でも修理できます。しかし、蛇口は細かいパーツで構成されており、修理が必要な個所によりかなり大変な作業になることもある設備です。
自分で修理するのが難しい場合は、無理をせず業者の力を借りた方がよいでしょう。無理やり修理しようとして、故障を悪化させたケースもあります。自分で修理することに不安を覚えるなら、業者に修理を依頼してください。
修理を安く依頼したいなら交換パーツを購入しておこう
なお、修理を依頼する際、あらかじめ交換パーツを購入しておくと、その分の修理費を割引してくれる業者もあります。少しでも修理費を安く済ませたいなら、事前に必要パーツを購入しておきましょう。
蛇口により該当するパーツは異なります。購入の際は、蛇口のメーカーや型番を調べておきましょう。交換・設置できないパーツを購入すると、せっかくのパーツ代が無駄になってしまうため、ご注意ください。
まとめ
水道蛇口は、10年ほどで寿命が来ます。寿命がきた蛇口は故障しやすくなるため、交換が必要です。寿命が近くなった、故障が頻発して起こるようになったなどの場合は、修理を検討しましょう。
また、故障の症状が出ている状態を放置すると、症状の悪化や別のトラブルを引き起こしかねません。故障が判明したら、応急処置を行いましょう。修理や業者への依頼は、そのあとに行うようにしてください。
なお、修理費を少しでも安く押さえたいなら、該当するパーツを購入しくなどの工夫をしましょう。