水のコラム
2022.12.26
その他
排水枡のつまりや水漏れの原因と解消方法
排水枡の役割を正確に知っている人は少ないかもしれません。日常生活で気にすることは滅多にありませんが、排水桝は配管の掃除やメンテナンス、配管がつまったときに配管の状態を調べるために設けられています。
ここでは、排水桝のつまりや水漏れの原因、解消方法をご紹介します。
排水枡とは
排水桝とは、汚水や雨水が通る排水管に設けられている、メンテナンスや掃除のための排水設備です。
汚水や雨水には、ゴミ汚れや泥が入っています。これらの固体物をそのまま流してしまうと、排水管がつまる原因となります。
さらに排水管がつまると、水の流れが悪くなり、逆に流れてしまう場合もあります。例をあげると、台所で突如排水が逆流してきた、というケースは排水桝の汚れや異物の蓄積などが原因かもしれません。
排水枡のタイプ
排水枡を設けているところは、住宅の角や便所、キッチン、お風呂、お手洗いといった排水が出される地点の外や合流する箇所にあります。
その下水方法は分流タイプと合流タイプの2種類があります。
合流タイプ下水道では、雨水と汚水が同じ配管を通じて流されています。分流タイプ下水道では、雨水と汚水が異なる配管で流されています。
したがって、分流タイプ下水道の桝には二タイプあります。枡のタイプは大別すると下記の3通りです。
・汚水枡:便所、キッチン、お風呂、お手洗いといった汚水が通る場所に使われる枡です。
・雨水枡:雨水が通る場所に使われる枡です。
・公共枡:敷地のなかの排水管と敷地の外の公共下水道をつなげる枡です。
枡はその材料によってもタイプがあります。大別すると下記の2通りです。
・塩ビ性枡:ポリ塩化ビニルで作られた枡です。昨今1番人気のある枡です。
・コンクリート枡:コンクリート製の枡です。枡自体はコンクリートで、蓋は鋳物でできた製品がほとんどで、塩ビ枡が一般化されるまでは多く使われていました。
排水枡がつまって汚水が溢れる状態とは
外の排水桝から汚水が溢れ出る理由は、排水管内部でつまりが生じているからです。
排水管のつまり原因を除去することで、排水枡が溢れる状態を回避できます。つまり原因を除去する作業は、以下の手順でおこないます。
・つまりが発生している箇所をチェックする
排水管のつまり箇所をチェックします。つまり箇所は、汚水が蓄積されている排水桝と、蓄積されていない排水桝の間です。
排水枡の蓋を開き、汚水が蓄積されている排水桝と、汚水が蓄積されていない排水桝をチェックしましょう。
・つまりの原因を除去する
つまりが発生している箇所がチェックできたら、その部分から最も近い排水桝からトーラーを通します。排水桝内の排管から、トーラーのワイヤー部分を通し、つまり原因を除去します。
排水枡のつまりを改善する修理の手順
ここからは、排水枡がつまった場合の改善方法を紹介。木の根っこ、油汚れの積み重なり、固体物のつまり、排水トラップの抜け落ちなど、専門業者でなくても改善できる原因のときのツールと対応法を解説します。
必要なツールや対応法は原因によりけりですが、以下のどのような場合でも、汚れてもOKな服装、使い捨て手袋を装着して作業してください。
木の根っこ
どの程度、時間がかかるかは、排水枡に入った木の根っこの成長度によります。
根部分を深く張っていたり、管や升にしつこく絡みつたりしているとき、専門業者でも排水管や排水枡自体を取り替えるしかない場合もあります。
作業に必要なツールは、根っこを除去するための「シャベル」根っこをまとめるための「大きめのビニール袋」です。排水枡の蓋を開き、準備したツールで木の根っこを切ります。
ただし、時間が経てば木の根っこが再成長するので、排水枡や排水管を再び塞いでしまいます。その場合は、以下の対処をしてください。
・こまめに木の根っこ除去し、排水の通路をブロックしないようにする
・根っこに通じる木自体を捨てる
・排水枡を新品にする
根っこを切るときには、シャベルで、排水管や排水枡を傷つけないように注意しましょう。排水管や排水枡が壊れてしまうと、水漏れが起こり取り替えざるを得なくなってしまいます。
油汚れの積み重なり
作業に必要なツールは、トング・スコップと大きめのビニール袋です。
排水枡の蓋を開き、準備したツールで油分の固まりを除去しましょう。おおよその固まりは、スコップですくい、トングでつまんだりできるはずです。
固体物のつまり
作業に必要なツールは、油汚れの場合と同じです。排水枡の蓋を開き、準備したツールでつまり原因の固体物を除去します。
排水トラップの抜け落ち
作業時に必要なツールはありません。排水枡の蓋を開き、使い捨て手袋をつけた手で落ちたエルボをひろい、排水の上流方面の排水管の先端に装着します。
エルボはL字形状のパイプですが、排水管側に付けるのとは逆側の口が下向きになるようにします。取り付け作業は、エルボを奥まで差し込むのみです。
自力でできる排水枡の清掃方法
排水枡は自力でもある程度できます。以下、排水枡の掃除手順です。
・全部の枡の蓋を開く
蓋の上にある凹んだところにマイナスドライバーを差し込んで、テコの原理を活用して開きます。硬直しているときもあるので、根気強くおこないましょうこの時点で全部の桝の蓋を開けたままにしてください。
・台所から試しに流す
台所から試しで水を流し、排水桝を確認して水の流れがスムーズかチェックします。水の流れをチェックしたら、最も上流方面にある排水桝から掃除をしていきましょう。
・排水枡内に蓄積している汚れをすくいとる
排水桝内部に蓄積している汚れをすくいとります。
台所の汚水桝は油分の汚れが白く固まっているケースがほとんどなので、柄杓かお玉などですくって、不要なザルや排水口専用ネットにまとめて水を切り、ビニール袋に入れてください。
新聞紙の上に置き、水分を切ってから捨てるのも1つの手段です。この際に排水桝内部からすくいとるのは、油分の固まりや枯れ葉といった固形物です。
ヘドロ状態になっている汚れおよび汚物は、洗い流してしまうので放置して大丈夫です。排水枡の上に蓄積した汚れを除去した後、エルボがあるときはエルボを取り外します。
エルボは名称通り、肘のような曲線型のパイプです。エルボがはずせないようであれば無理やり取り外そうとせず、次の手順に移ってください。エルボが取り外せたら排水桝の底に沈んでいる汚れもすくいとり、ゴミ袋に入れて捨てます。
汚れものは水気があるので、ゴミ袋内に新聞紙を入れてから汚れの固まりを入れると、水分を吸ってくれるのでおすすめの方法です。
・散水ホースで中身をクリーニングする
散水ホースもしくは高圧洗浄機器で上流方面にある桝の方からクリーニングします。汚れ部分を水圧でそぎ落とす要領でクリーニングしていくと綺麗になります。
排水管方面を強めの水圧でクリーニングすると、室内の排水口内に逆噴射してしまう危険があるので、慎重に作業をしてください。この時点で汚れがなくなれば、終了です。
・スポンジやデッキブラシでクリーニングする
汚れが落ちないときは、スポンジやデッキブラシに中性洗剤を含ませて汚れ箇所をみがき洗いしてください。汚れがなくなったらエルボを元通りにし、蓋をして完了です。
まとめ
今回は、排水枡のつまりや水漏れの原因と解消方法について紹介しました。
排水枡は日頃触れることの少ない排水設備です。この記事をきっかけに、排水枡のつまりや水漏れ原因とその解消方法を知っていただき、ご自宅でもぜひ実践してみてください。