水のコラム
2022.12.01
トイレ
簡易水洗トイレとは?詰まりの改善・予防方法を覚えて快適に使おう
トイレのひとつである簡易水洗トイレは、ほかの便器とは違う特徴があります。異常が発生したとき、違いを正しく理解し、適切な修理をしなくてはなりません。
そのためには、仕組みや可能な修理方法を知っておく必要があります。ここでは、簡易水洗トイレの仕組み・改善方法・トラブルの予防策をご紹介します。
目次
簡易トイレとは
簡易トイレとは、汲み取り式の一種です。用を足したあとに、水を流せるようになっています。水洗式よりも少ない水で流せる・配管の中を水で塞いである部分があり、においが少ないなどのメリットがあるタイプです。
汲み取り式のため、汚水を入れる槽があり、そこに汚物や流すときの水が溜まります。水がある分たまるスピードも速いため、通常の汲み取り式よりも汲み取る回数が多くなります。
なぜ汲み取り式で詰まりが発生するのか
汲み取り式と聞くと、用を足した後はそのまま汚水槽に排せつ物などを落とすイメージをもっている方が多いかと思います。しかし、簡易トイレは、配管の中に水をためる関係から、一部だけ曲がっている部分があるのです。
この部分にものが詰まると、流しても流しきれず、中を塞いでしまいます。異常が起きると、配管から異音がします。流したときにいつもと違う音がしたときは、故障の可能性を疑いましょう。
簡易トイレでトラブルが発生する原因
簡易トイレを修理する際の原因としてよくあげられるのが、水溶性の紙です。大量に使われたトイレットペーパーや掃除用シートが、配管の中に残り、故障や不具合の原因になってしまうのです。
簡易トイレは水洗式よりも流すときの水量が少ないため、通常なら解け残らない量でも配管の中に残ってしまいます。溶け残りの紙に尿石や汚物がつき、故障が発生します。簡易トイレを使うときは、水洗式とは違う点に注意しながら使用しなくてはなりません。
簡易水洗トイレでできる修理方法
簡易トイレに異常が起きても、道具があれば修理可能です。修理方法は複数あるので、状況に適した方法を選択しましょう。簡易トイレに使える改善方法をご紹介します。
ラバーカップやワイヤーブラシを使う
水洗式でもよく使われているラバーカップは、簡易トイレにも有効です。ラバーカップには便器ごとに合わせた形とサイズがあります。適切なサイズを利用しましょう。
ラバーカップは故障の原因となるものを取り出すとき、汚水が噴き出ることがあります。汚水を被らないようにするには、止水栓を閉め、養生する必要があります。水漏れや汚水の被害を最小限に抑えるためにも、下準備をきちんとしてから取りかかってください。
ワイヤーブラシは、ワイヤーにブラシがついた掃除道具です。便器の排水口から配管にワイヤーを入れ、中の汚れを取り除きます。配管が明らかに塞がれているとわかるときに便利な道具です。こちらも原因が取れると汚水が噴き出すことがあるので、利用時は止水栓を閉め、養生するのを忘れないようにしましょう。
ラバーカップやワイヤーブラシは、排水口や汚水の中に入れて使います。使用後は水洗いと天日干しをしてから収納してください。そのままの状態でしまうと、においやコバエの原因になります。
詰まり用のトイレ洗剤を使う
簡易トイレには、専用洗剤も有効です。トイレ用洗剤の中には、詰まり取りや配管専用の製品もあります。排水口に規定量入れるだけで中の汚れを取り去ってくれるため、手軽に改善できます。
洗剤を使う場合も、水漏れや汚水があふれ出ることがあります。止水栓を閉め、養生するのを忘れないようにしましょう。また、洗剤の中には有害な物質を含んでいるものもあるため、使用中はもちろんその前後もしっかり換気してください。
洗剤の中には、強い酸性・アルカリ性の製品もあります。混ぜて使うと有毒ガスが発生するため、非常に危険です。使用する際は、単品で利用するようにしましょう。
少しずつお湯を流し込む
水が少しずつ流れる場合や、軽度の故障であれば、お湯を使っても改善できます。熱湯を使うと便器がひび割れてしまうため、40℃ほどのお湯を用意しましょう。バケツなどで便器の排水口めがけて少しずつお湯を流してください。
お湯により配管の中にある汚れが溶ければ、自然に流れていきます。修理用の道具がなくてもできる方法です。
自分では修理できない原因とやってはいけない修理方法
簡易トイレの改善方法は複数ありますが、原因によりどれも使用できない場合があります。また、方法の中にはかえって状況を悪化させるものもあるため、注意しなくてはなりません。業者に依頼すべき原因と、やってはいけない修理方法を解説します。
業者に修理を依頼すべき故障原因
こちらでご紹介した簡易トイレの改善方法は、異物を流したときには使えません。おむつや生理用品など、本来水に流すべきでないものが原因の場合は、業者に連絡してください。
異物が詰まった場合、取り除かない限り改善できません。取り除くには、便器や配管を外す必要があります。家庭では修理できないため、できるだけ早く業者の力を借りましょう。
あふれそうなときに水やお湯はNG
配管が完全に塞がれてしまうと、便器の中の水位がいつもよりも高くなります。状況により、あふれそうになることもあるでしょう。このような場合、水やお湯を入れて修理してはなりません。
お湯を便器の中に入れる方法は、温度と高いところからお湯を流すことによる水流の力で押し流しています。水の量が多い状態では、水流の力も消されてしまいます。これでは意味がありません。
それどころか、あふれそうな状態を悪化させることになります。修理がより困難になるため、水位の高い状態でお湯を入れてはなりません。別の方法を選択しましょう。
トラブルの予防策も覚えよう
簡易トイレは、一度故障するととても大変です。トラブルを避けるには、普段から予防策を実施する必要があります。故障や不具合を避けるための対策をご紹介するので、普段の生活に取り入れてください。
トイレットペーパーの量に注意する
簡易トイレは、水洗式よりも水の量が少なく、水溶性の紙が解け残りやすいです。トイレットペーパーは必要最低限の量のみ使うようにしましょう。大量に使うと、トラブルが起こりやすくなります。
また、掃除用ペーパーは便器に流さず、ごみ箱に捨てるようにすれば、異常も起こりにくくなります。流すものの量をできるだけ少なくするよう工夫してください。どうしても大量に流さなくてはならないときは、数回に分けて流しましょう。
水を大目に流すようにする
合わせて、水を大目に流すのも有効です。水量が大・小で分かれている場合でも、いつも水量が多い方で流すようにしましょう。水の量が多ければ、その分勢いもつくため配管の中に汚れが残りにくくなります。
水溶性の紙も溶けやすくなるため、いつも大で流せば溶け残りの発生も防げます。普段から流す紙の量・水量に注意しながら使用しましょう。
定期的に掃除して詰まりにくい状態を維持する
定期的な掃除もトラブル予防には必要な作業です。配管のつまりは、汚れに尿石などがくっつくことでも発生します。普段からこまめに掃除し、尿石が便器や配管の中に残らないようにしましょう。
尿石はアルカリ性の汚れです。塩素洗剤などのアルカリ性洗剤では落とせません。酸性洗剤を使いましょう。酸性洗剤は便器塗布して放置する形で利用しますが、指定された時間以上放置すると、便器の故障につながります。使用する際は、使用方法を守りましょう。
自分で修理しても直らないときは業者の力を借りよう
簡易トイレの不具合は家庭でも改善できますが、どうしても直らないときもあります。そのようなときは、業者に相談しましょう。家庭でできる修理方法には限界があります。排せつ物や水溶性の紙で配管が塞がった場合でも、状況により業者の力を借りた方が解決できる場合もあると覚えておきましょう。
まとめ
簡易トイレは、下水設備のないところでも快適に使えますが、トラブルを起こさないよう注意しながら使う必要があります。しかし、普段からトラブルを予防し、いざというときの道具も用意しておけば、万が一の事態が発生しても落ち着いて対処できるでしょう。
家庭で対処しても修理できなかった場合は、無理せず業者の力を借りてください。