水のコラム
2022.10.06
キッチン
キッチンの高さの決め方から高さ変更に伴う費用相場を解説
キッチンのリフォームや新築で新設するにあたって、キッチンの高さについて悩む方もいるでしょう。食材を切ったり、食器を洗ったり、キッチンワークは日々の生活に欠かせません。
腰痛や肩こりなど身体の不調を感じるようなら、キッチンの高さが合っていないことが原因かもしれません。本記事では、キッチンの高さ決めで失敗しないよう、覚えておきたいポイントや理想的で使いやすいキッチンを実現するための「高さ」について解説します。
キッチンの高さを決める際の基礎知識
キッチンのリフォーム後に高さが合わなかったという話は、よく聞きます。高さが合っていないと、腰や肩など体のどこかに負担がかってしまいます。3~5cm程の差でも使い勝手がだいぶ変わります。
キッチンの高さは85cmに設定されているものが多いです。しかし、標準が85cmだからという理由で高さを決めないほうが良いでしょう。日本工業規格(JIS)では、キッチンの高さは80cm・85cm・90cm・95cmと定められています。
しかし、メーカーによってはこのように5cmではなく2.5cm刻みにしているところもあります。キッチンの理想的な高さやサイズは、よく使う人の体格に合わせることが肝心です。キッチンは腰を曲げすぎず、腕を自由に動かせるくらいの高さが使いやすいです。
キッチンの高さの具体的な決め方
先述でも述べたように、キッチンの高さはキッチンをよく使う人の体格に合わせるのがおすすめです。既存のキッチンの高さで特に問題がなければ、同じ高さを選んでも良いでしょう。しかし、この機会に身体に合った高さを確認しておくのもおすすめです。
キッチンで作業しやすい高さは、一般的に「身長÷2+5cm」と言われています。しかし、キッチンをよく使うのが高齢の方であれば、前かがみになりやすいのでこの計算式で出した高さは高すぎるかもしれません。あくまで参考としてください。
肘の高さを考慮して「高さ」を考えるのもおすすめです。先ほどの身長から出す計算式だと、肘の高さが考慮されていないために低く感じてしまうこともあります。食材を切ったり食器を洗ったりするキッチンは、肘の高さも大切です。
肘の高さも考慮するには、「肘高-10cmから15cm」を目安に考えてみましょう。使い慣れたキッチンの高さが理想だけど、他の高さも見てみたい、いろんなシステムキッチンを見てイメージを膨らませたい、という方はショールームに足を運んでみるのもおすすめです。
実際にキッチンを見ることで、作業イメージを膨らませつつ高さを決められます。キッチンの高さを決める手順としては次の4ステップがおすすめです。
1. 現状のキッチンの高さに関する不満点を列挙して優先順位をつける
2. 身長計算式(身長÷2+5 cm)で目安の高さを確認する
3. 実物のキッチンで調理および後片付けなどの実際の動きを確認する
4. 日頃キッチンにいる状態と同様の状況を再現し、高さを確認する
例えば身長が158cmの人だと、158cm÷2+5cm=84cmということになります。先述でも述べましたが、各メーカーで販売しているシステムキッチンは80cm・85cm・90cm・95cmというように5cm刻みとなっていることが多いです。
158cmの身長の人は大抵の場合、85cmのシステムキッチンを選ぶと良いでしょう。また、実際にショールームに行って実物を確認したり、友人や知人宅のキッチンの高さを確認させてもらったりするのも有効です。
キッチン以外にも吊戸棚や収納の高さも大切
キッチンのリフォームや新築でキッチンを設置する際には、キッチン以外の吊戸棚や収納スペースを考える必要があります。日常生活において頻繁に使用するキッチン用品の収納スペースも高さがとても大切です。
たくさんの収納を設けても、使いづらければしまい込んだまま、積み上げたままになってしまいます。収納は開閉しやすい、手の届く高さと奥行をしっかり計算して計画しましょう。キッチンの収納はシンク下・コンロ下・フロア収納・吊戸棚などがあります。
また食器や調理器具、ダストボックスなど使う頻度や大きさ、重さに合わせて収納する場所を決めましょう。調理家電の奥行のチェックも忘れずに行ってください。
吊戸棚やシンク上部の収納位置は、使用者の身長に合わせて高すぎず低くすぎず、モノを取り出しやすい位置にあるのが理想です。立った状態で視線の範囲に収納できる位置であるのがベストでしょう。
この位置内に収納を設置することで、食器や調理器具などが管理しやすくなります。調理器具や食器の出し入れもしやすくなり、キッチンでの調理の効率も高まります。
キッチンの吊戸棚やシンク、調理台上部の収納の高さを決める際は、ご自身の身長や視線に合わせて選ぶのが理想です。しかし、視線や手の届く範囲より上に収納をつくるケースもあるでしょう。
システムキッチンではシンクとコンロ、ワークスペースが同じ高さに設定されていますが、実はそれぞれ使いやすい高さは異なります。シンクは食器などを洗うために底の部分が低く設計されています。しかし洗いものをするときは、実は高めの方が使いやすいのです。
またワークスペースは食材を切るなど一点を見ることが多いです。そのため、あまり低すぎると使いづらいという特徴があります。逆にコンロは高すぎると、鍋やフライパンの中身が見えにくくなり、低めの方が良いといわれています。
キッチンの高さ変更に伴う費用相場
キッチンの高さ変更に伴うリフォームを検討したとき、費用がどのくらいかかるのかが気になりますよね。キッチンの高さ変更に伴うリフォームは次のようなパターンがあり、それぞれ費用も変動します。
・既存のキッチンの高さを調整
・新しいキッチンに変更
・シンク周りの高さ調整
・コンロを五徳からIHに変更
既存のキッチンやシステムキッチンが古くなり、高さも合わないという場合には、既存のキッチンの高さを変えるパターンと新しいシステムキッチンを取り付けるパターンがあります。
既存のキッチンの高さを変える場合は、相場は約12~22万円です。費用も工期も抑えたい方におすすめです。新規のシステムキッチンに変更する場合は、一般的に工事費込みの価格で50万円~150万円と言われています。
シンク周りの高さを調整するのみなら、幅100cm以内のステンレスシンクであれば約5~8万円、幅100cm以上のステンレスシンクは約13万円かかります。また、コンロが五徳であればその分高さも出てきてしまいます。IHにすれば、キッチンの他の部分と高さを合わせられます。五徳からIHに変更する場合は、約9~25万円です。
なお、業者によっても費用は大きく変わってきます。特定の業者1社で決めようとはせず、複数社から見積もりをとり、実績や扱っているキッチンの種類などを比較検討した上で信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
キッチンの高さは、使用頻度の高い人の身長に合わせて選ぶのがおすすめです。実際にショールームへ行って高さや使い勝手を確認してから選ぶと、失敗を避けられます。キッチン設備が老朽化しているのであれば、キッチン全体をリフォームすることを推奨します。
しかし、全体のリフォームだと費用がかさんでしまいます。既存のシンクやコンロの高さを調整するだけのリフォームであれば、費用を抑えることもできます。
簡単なリフォームであれば工期は1日で完了します。予算とスケジュールに合わせて、使い勝手が良く快適なキッチンを手に入れましょう。