水のコラム
2022.04.30
水のトラブル
下水つまりの原因と自力で解消するための方法
キッチンやお風呂場、トイレなどでつまりが発生したことはありませんか?つまってしまうと、水の流れが悪くなり不衛生な上に不便ですよね。
軽度のつまりであれば自力で対処できますが、排水口の奥にある下水でつまりが発生していたらやっかいです。
自力で対処はできるのでしょうか。本記事では、下水がつまる原因と予防策、自力での直し方や業者に依頼したときの費用目安について解説します。
下水がつまる原因とは?
家庭にある水回りの排水は、下水に集められます。下水には、家庭から流れてきたあらゆるゴミや汚れが蓄積され、つまりが起こりやすい環境です。
下水のつまりとなる原因箇所を特定することで、対処しやすくなります。下水がつまる原因となる箇所別に原因となるものをそれぞれ確認していきましょう。
■キッチン排水
自炊をしている方はキッチンを毎日使うので、つまりが発生するととても不便ですよね。キッチンでつまりが発生する主な原因は次の通りです。
・油汚れ
・洗剤カス
・食べかす
特に油は、冷えると固まってしまうのでつまりの原因となりやすいです。揚げ物などに使った油を大量にキッチンの排水口に流す方はいないと思いますが、お皿やフライパンに残っていた油も、蓄積されるとつまりの原因となるので注意しましょう。
油汚れに洗剤カスや食べかすが混ざることで雑菌が増殖し、ぬめりや悪臭を放つ原因にもなります。
■お風呂・洗面所排水
お風呂や洗面所は、家族みんなが利用するので全員が気を付けていないとつまりが発生しやすいです。お風呂・洗面所でつまりを発生させる原因は主に次の通りです。
・髪の毛などの体毛
・せっけんかす
・皮脂汚れ
・ヘアピンなどの固形物
1番排水口に溜まりやすいのは、髪の毛です。排水口の髪の毛を放置すると、雑菌が発生してぬめりとなります。
また、気づかないうちにヘアピンやアクセサリーなどの固形物をながしてしまうことも。汚れが蓄積されている排水口に固形物が流れてしまうと引っかかり、つまりの原因となります。
■トイレ排水
トイレは意外と繊細なので、使い方が悪いとすぐにつまってしまいます。
トイレのつまりの原因は主に次の通りです。
・トイレットペーパー
・水の不足
・異物を流した
節水するためにトイレの水の量を調節できますが、少なすぎるとトイレットペーパーや便などが流れにくくなり、蓄積された後につまってしまいます。節水はトイレ以外で行いましょう。
また、トイレにうっかりスマホやヘアアクセなど異物を流してしまったという経験はありませんか?異物も、トイレのつまりの原因となるので流してしまった際は早急に対処しましょう。
■下水管に張り付いた木の根
あまり多くないケースですが、外にある下水の近くに木が植えてあると、その根が下水に影響を及ぼすことがあります。
木の根が下水の配管に接触することで、配管と配管のつなぎ目が劣化してしまったり、地盤沈下を起こしてしまったりします。
そうなると、水漏れが発生する恐れが。そして木の根は水分のある方へ伸びる性質があるので下水の配管まで伸び、つまりの発生へと繋がってしまいます。
■建物の構造
建物の構造によっても下水のつまりやすさは異なります。マンションなどの集合住宅と一戸建てはどちらが下水でつまりが発生しやすいのでしょうか。
一見、各家庭から排水が集められる集合住宅の方がつまりが発生しやすいと思われがちです。しかし、一戸建ての方が下水でつまりが発生しやすいのです。
集合住宅の排水管は、地面と垂直についています。そのため排水の流れが強く、汚れが排水管に蓄積されやすくなっています。対して一戸建ては、横向きに排水管がつけられています。そうすると水の流れがゆるやかで、汚れが排水管に蓄積されやすい構造となります。
■台風や大雨の影響
台風や大雨も、下水がつまる一因です。台風や大雨によって土砂がマンホールに流れ込んでしまうことがあります。
そうなると、家庭から流れる排水が流れていく場所がなくなってしまい、逆流やつまりが発生してしまうのです。この場合は、水の使用を控えて天候の回復を待つしかありません。
■下水つまりは自力で治せる?
下水でつまりが発生した場合、軽度な物であれば自力で対処が可能です。まずはつまりの原因箇所を特定しましょう。
下水のつまりを解消する主な対処法は、「真空タイプのパイプクリーナーを使う方法」と「液体タイプのパイプクリーナーを使う方法」、「ワイヤーブラシを使う方法」と「高圧洗浄機を使う方法」の4つがあります。
「真空タイプのパイプクリーナーを使う方法」の手順は次の通りです。
1. つまりが発生している排水口のフタやパーツを外す
2. 真空タイプのパイプクリーナーのレバーを押し下げた状態で排水口に密着させる
3. 真空タイプのパイプクリーナーのレバーを引く
4. つまりが解消するまで繰り返す
真空タイプのパイプクリーナーは、ラバーカップよりも吸引力と圧力を強くかけることができ、効果が大きいです。ネットショップやホームセンターで手軽に手に入れることができます。
次に、「液体タイプのパイプクリーナーを使う方法」は次の通りです。
1. つまりが発生している排水口のフタやパーツを外す
2. 排水口に液体タイプのパイプクリーナーを流す
3. 所定の時間放置する
4. 水で洗い流す
つまりの状態が軽ければ、液体タイプのパイプクリーナーで事足りるでしょう。定期的に液体タイプのパイプクリーナーを使用してがんこなつまりとなる前に予防するのもおすすめです。
「ワイヤーブラシを使う方法」は、排水口の奥の方でつまりが発生しているときに有効です。手順は次の通りです。
1. つまりが発生している排水口のフタやパーツを外す
2. 排水口にワイヤーブラシを刺し、つまりに到達させる
3. ワイヤーブラシを回しながらつまりを削り取る
4. 水を流して、つまりが解消したか確認する
ワイヤーブラシを使った方法は、目では見えにくい奥の方のつまりを解消するため、つまりが完全に取れたかが確認しづらいのがデメリットです。水の流れが良くなっても、一時的なもので、すぐにまたつまってしまう可能性もあります。
家庭用高圧洗浄機を持っている方は「高圧洗浄機を使う方法」もおすすめです。特につまりがひどい場合に使用してみましょう。手順は次の通りです。
1. つまりが起きている排水口に繋がる外にある排水管に、洗浄用ホースを50cm~1m差し込む
2. 高圧洗浄機を稼働させ、パワーを弱めから徐々に強くしていって洗浄する
3. 奥の方まで洗浄する
4. ヘドロ状の水が出なくなるまで続ける
5. つまりが発生している排水口に水を流し、つまりが解消したか確認する
専門業者も扱う方法で、少し難易度が高いため、不安であれば業者に依頼した方が無難です。効果がある分、洗浄パワーを強くしすぎるなどして配管を傷つけてしまうこともあります。そうなってしまうと、余計に修理費がかさむので注意しましょう。
下水つまりの修理を業者へ依頼する時の費用
自力での対処を試みてもつまりが解消しないなど、下水が完全につまってしまった場合は専門業者へ修繕を依頼しましょう。
業者に依頼するときに気になるのが修繕費用ですよね。下水のつまりはつまり箇所や程度、修繕内容によって料金は変動します。修繕箇所・内容別の費用相場は次の通りです。
・屋外排水管つまり除去(高圧洗浄機使用)・・・23,000円
・キッチン排水口つまり除去(トーラー使用)・・・28,000円
・屋外排水つまり除去(高圧洗浄機使用)・・・50,000円
・屋外配管つまり除去(3mまでの高圧洗浄機使用)・・・54,000円
・浴室排水口のつまり除去(大型高圧洗浄機使用)・・・55,000円
・屋外つまり清掃(銃作業)・・・86,000円
これらの費用に基本料金や出張費がかかることもあります。また、つまりが1カ所で住めば良いですが、あらゆる場所で併発してしまうとその分料金もかさみます。
ひどいつまりに繋がらないように、定期的に液体パイプクリーナーを活用するなどして、つまりを予防しましょう。
まとめ
ここまで、下水がつまる原因と予防策、自力での直し方や業者に依頼したときの費用目安について解説してきました。
排水口がつまってしまうと水がスムーズに流れていかず溜まってしまうので、不便ですよね。つまりが軽度であれば、自力での対処も可能です。
しかし、下水が完全につまってしまうなど重度のつまりであれば、業者に頼むしか他ありません。高圧洗浄機などを使うので、修繕費用もかなりかかってしまいます。つまりは発生しないに越したことはありません。定期的にお手入れを行い、つまり知らずの水回りを目指しましょう。