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水のコラム

2024.06.04

トイレ

簡易トイレがあれば災害時も安心!簡単にできる簡易トイレの作成方法

平成7年(1995年)1月17日、兵庫県の淡路島を震源地とした地震が、兵庫県全域を中心とし、近畿地方を襲いました。
後に阪神・淡路淡路大震災と名付けられたこの地震は、トイレなどの保険衛生の部分でも被災者を苦しめます。
 
当時、断水により水洗トイレの使用ができなくなり、避難所ではトイレ以外にも排泄物が溢れ積み重なり、プールの水を運び排泄物を流すなどの工夫を施した場所もありました。
しかし、交通事情や初動の遅れなどの理由により、仮設トイレの設置が遅れ、現場でできる対策は追いついていない状態でした。
 
このときの経験を忘れていない人は多く、能登半島地震など、地震による災害でトイレの問題が取り上げられるたびに、当時の経験を語る声がSNSに上げられます。
 
地震だけではなく台風など、自然災害はいつ起こるか分からないため、トイレに纏わる不安は尽きません。
 
災害時のトイレ問題の対策としては、簡易トイレの作成が有効手段の一つとして挙げられます。
本記事では簡易トイレの作成方法について解説していくので、参考にしてみてください。
 
 

簡易トイレはこんな時に役立つ

災害時の断水で自宅の水洗トイレが使用できないときや、避難所の仮設トイレが排泄物で溢れていて使用ができないなど、簡易トイレはそのような非常時にあると心強いものです。
仮設トイレは排泄物が溢れると取り換えが行われますが、数日かかるといわれており、災害時の交通事情によっては1週間以上要する場合もあるでしょう。
 
仮設トイレが取り換えられるまで排泄物の溢れたトイレを使用することは、感染症などのリスクもあり、躊躇われるものです。
 
災害時には避難所に移動せず、自宅で過ごす選択を取る人もいます。
この場合、排泄物がトイレから溢れてしまうと家の中が排泄物で汚れるため、その後の生活にも影響を及ぼしかねません。
 
ご自身で簡易トイレの準備をできれば、災害時のトイレへの不安が軽減します。
 
 

簡易トイレの作り方

簡易トイレには自宅にある便器を利用する方法と、段ボールやバケツなどを利用する方法があります。
 
 

トイレの便器が使用できる場合

断水で水が止まっている場合でも、便器が使用できる状態にあれば、便器と30ml以上のゴミ袋を利用して簡易トイレを作成することができます。
ゴミ袋は2枚以上使用し、1枚目は2枚目の袋が封水で水濡れをしないように使用してください。
 
簡易トイレを作成する際は、最初に便器の蓋と便座を上げてから、水濡れ対策のために便器の中にゴミ袋を1枚広げます。
2枚目のゴミ袋が、排泄のために必要なゴミ袋のため、便器を下ろした後に、再度便器の中にゴミ袋を広げてください。
 
通常、トイレには排泄物の臭いが上がってこない仕組みが施されていますが、簡易トイレにはそのような仕組みはありません。
ゴミ袋にはある程度の密封力があるため、排泄物の臭いを軽減することができるのです。
 
また、近年では消臭効果のあるゴミ袋も発売されており、消臭効果のあるゴミ袋は、より排泄物の臭いを防ぐ効果が期待できるでしょう。
 
簡易トイレを破棄するときは、自治体の指示に従ってください。
災害時は自治体から、通常のゴミ処理方法とは別の処理方法の案内が出る可能性があります。
 
 

新聞紙を使用する方法

新聞紙を適度な大きさに千切るもしくは折り畳み、便器の中に広げたゴミ袋の中に入れます。
新聞紙には水分の吸収だけではなく、排泄物を見せないようにする効果もあるため、排泄後に新聞紙の量が少ないと感じた場合には足してください。
 
排泄後は2枚目のゴミ袋だけを取り出し、口をしっかりと結んで破棄します。
 
 

凝固剤を使用する方法

自宅に凝固剤がある場合、排泄物に凝固剤を振りかけることで固めることができるでしょう。
 
凝固剤10gで約400cc固めることができると言われています。
大便にも水分が含まれるため凝固剤は有効ですが、排泄前に投入した場合効果を発揮しない恐れがあるため、注意が必要です。
 
 

ペット用トイレの砂を使用する方法

ご自宅にペット用トイレの砂がある場合、簡易トイレに使用できます。
 
ペット用トイレの砂には消臭効果があるため、臭いの対策になるでしょう。
ペット用トイレの砂と同じように、ペット用のトイレシートも使用できます。
 
ペット用トイレの砂は重たさがあるため、量を入れすぎるとゴミ袋が重さに耐えきれずに破れてしまう可能性があるでしょう。
使用する時は様子を見つつ砂を入れる量を決めてください。
 
 

おむつを使用する方法

おむつがある場合、おむつを着用して過ごすこともできますが、おむつは簡易トイレの詰め物として使用することができます。
 
大人用のおむつも子供用のおむつも、吸水性と消臭性に優れているのです。
 
生理用のナプキンやおりものシートは、簡易トイレの詰め物に使用するには吸水性が足りませんが、尿取りパッドはおむつと同様に使用ができます。
 
元々の吸水量を参考に、使用する量は調整をしてください。
 
 

段ボールで簡易トイレの便器を作成する

簡易トイレの便器にあたる部分は、段ボールで自作することが可能です。
 
厚手の段ボールに楕円形や四角で穴をあけ、くり抜きます。
このとき、2リットルの空のペットボトルを、底部分が上に来るように段ボールの穴が開いていない部分に入れると、座ったときの強度が出ます。
 
段ボールの簡易トイレは、フラップ(上部と下部についている折り畳みが可能な部分)を、内側に折り畳むだけでも作成は可能ですが、便座がないと使用感が悪いため、別の段ボールで便座を作成することがおすすめです。
 
段ボールで簡易トイレを作成する場合、1枚目のゴミ袋は段ボール製便器へ、排泄物が付着することを防ぐ対策として使用してください。
 
段ボールの代わりに、ご自宅にあるゴミ箱やバケツを便器の代用として利用することもできます。
 
 

紙コップを使用する

簡易トイレの詰め物として使用できるものがないとき、小便だけの場合、紙コップや紙類で折った折コップを使用することも可能です。
 
検尿のように小便を取り、排水口やゴミ袋などに捨てます。
排水口やゴミ袋などに捨てることで、臭いが残る可能性があることに注意が必要です。
 
 

臭いの対策

ご自宅に消臭スプレーがある場合は、排泄物が入った袋に振りかけることで臭いの対策が可能です。
また、ご自宅で使用されている粉末洗剤や酸素系漂白剤、重曹も臭い対策として使用できます。
ただし、使用時は必ず商品の注意書きを確認するようにしましょう。
 
トイレの消臭効果に特化した消臭・脱臭の洗剤も販売されているため、災害時の非常品として準備しておくのも良いかもしれません。
 
 

まとめ

兵庫県では阪神・淡路大震災を教訓とし、平成8年(1996年)2月に、「近畿2府7県災害時の相互応援協定」を締結しています。
また、平成18年(2006年)4月から適用の「近畿2府7県危機発生時の相互応援に関する基本協定」も締結しています。
 
これらの協定により、災害時は相互支援が可能になりました。
阪神・淡路大震災では、阪神間は大きな被害を受けましたが、近しい距離にある大阪府などでは、断水も起こらず普通の日常を送れていたエリアもあります。
 
近畿2府7県災害時の相互応援協定があることで、被災に苦しむエリアでも、苦痛少なく生活ができるようになることが期待されているでしょう。
参考:兵庫県災害対策(水道用水供給)
 
災害時でも水道が安定供給されれば、簡易トイレの出番はあまりないかもしれませんが、簡易トイレの作成方法を知っておくことは、自然災害などの有事の際に役に立つこと間違いありません。
 
災害後の水道に関するトラブルは、ひょうご水道職人にご相談ください!
ひょうご水道職人では、24時間365日受付をしています。
 
簡易トイレを使用中に袋が破れてしまい、便器が詰まってしまうことがあるかもしれません。
そのようなトラブルも、ひょうご水道職人にぜひお任せくださいませ。

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