水のコラム
2023.06.30
排水溝のトラブル
お湯を流すと排水管が凍りやすくなる?原因と対策方法について解説
「寒い冬の朝に水を流そうとしたら、排水管が凍っていて水が出てこなくなってしまう」というトラブルに遭遇した経験がある方は少なくありません。
そして、こうした問題に遭遇するとお湯を流して排水管の凍結を試みようと考えるのが一般的ですが、お湯を流すとかえって配管が凍りやすくなってしまうケースもあります。
そのため、お湯を流すと凍結が促進してしまう原因や対策方法について把握しておく必要がありますが、こうした知識を持ち合わせていない方は多いでしょう。
そこでこの記事では、お湯を流すと排水管が凍りやすくなる原因と対策方法について解説していきます。
お湯を流すと配管は凍りやすくなる?
基本的には配管にお湯を流すと配管内の温度が上昇し、凍結を防ぐ効果が期待されます。しかし、気温が極端に低く配管が十分に保温されていない場合には、お湯を流すことが逆に凍結を促進させる可能性があります。
このような現象が発生してしまうのは、お湯が流れる際に生じる水蒸気が凍結して配管内に氷を形成し、その上に水がたまって凍結してしまうからです。
そのため、極端に寒い時期や配管が保温されていない場合には、お湯を流すしてしまうとかえって凍結を促進してしまうおそれがあるため、注意が必要です。
ただし、通常の気温であればお湯を流すことで凍結を防げるため、こうした場合には適切な量を流して凍結のリスクへの対策を講じるようにしましょう。
お湯以外で配管の凍結を予防する方法
続いてお湯以外で配管の凍結を予防する方法について見ていきましょう。
水を流し続ける
お湯以外で配管の凍結を予防する方法として、水を流し続ける方法があります。水を流し続けることで、水道管内の水が動いて凍結を防げるのです。
この方法はお湯を使う方法よりも節水効果がありますが、水道代がかかってしまうというデメリットがあります。また、水を流し続けるという方法は緊急時に使用するものであり、長時間続けることはできません。
そのため、凍結が予想される場合には断熱材を使用したり、水道管周辺を保温したりする対策を講じることが望ましいです。なお、凍結によって水道管が破裂すると大きな被害が生じるため、予防対策をしっかりと行いましょう。
水抜きをする
水抜きをすることは、配管の凍結を防ぐための有効な方法の1つです。水道管の最も低い部分にある蛇口を開けるだけで水を完全に抜き切れるでしょう。この方法によって、水道管内の水を完全に排出しておくと水が凍結するリスクを下げられます。
ただし、この方法は水を抜いた状態でいるため、水の使用ができなくなってしまうというデメリットがあります。そのため、水抜きをする際には必要な水を確保しておく必要があります。また、水抜きは冬期限定の作業であり、春先には再度水を入れる必要があります。
水抜きの方法は簡単ですが、不用意に行うと水漏れや配管の損傷の原因となるため、正しい手順を確認した上で行うようにしましょう。
給湯器の機能の利用
配管の凍結を防ぐ方法の1つに、給湯器の機能を利用する方法があります。給湯器には配管の凍結を防ぐために、凍結防止機能が備わっているものがあります。この機能を利用すると給湯器によって配管内の水温を維持できるため、凍結を未然に防げます。
凍結防止機能を備えた給湯器は外気温が低下した際に自動的に動作し、配管内の水を循環させることで凍結を防ぎます。また、凍結防止機能を備えた給湯器は省エネルギー性に優れている場合が多いため、配管の凍結防止と節約にもつながります。
ただし、凍結防止機能を利用する場合には給湯器の取扱説明書に従って操作するようにし、正しく設定する必要があります。また、給湯器によっては凍結防止機能を備えていないものもあります。その場合には、他の方法を利用して配管の凍結を防止する必要があるでしょう。
排水管を保温する
配管の凍結を防止する方法の1つに、排水管を保温する方法があります。排水管を保温して水の凍結を防止し、配管の破裂を防いでいくのです。
なお、排水管を保温する方法には保温材を巻き付けたり、断熱材で覆ったりする方法があります。保温材は、ビニール製の袋状のものや断熱材でできたテープ状のものがあり、排水管に巻き付けるだけで保温効果を得られます。
また、断熱材で覆う場合には排水管を覆う部分を断熱材で包み、テープで固定しておくと保温効果を高められるでしょう。保温材の種類によっては耐水性に優れているものもあり、排水管の湿気に対しても耐性がつきます。
なお、保温材を利用する場合には排水管のサイズや形状に合わせて適切なものを選び、施工方法についても取扱説明書などを参考にしましょう。
余計な水分を拭き取る
配管の凍結を防止する方法の1つに、余計な水分を拭き取る方法があります。水道管には、結露などによって水分が付着する場合があります。
この水分が凍結すると配管の破裂を引き起こす原因となるおそれがあります。そのため、余計な水分を拭き取って配管の凍結を防止する必要があるのです。
余計な水分を拭き取る方法には、タオルや雑巾を使って配管や蛇口周辺の水滴をしっかりと拭き取る方法があります。また、水滴が付着しないように水道管周辺の湿度を低く保つことも重要です。
なお、湿度が高い場合には加湿器を使用して湿度を下げる取り組みを行うのもよいでしょう。さらに、水道管周辺の換気を良くしておくと水滴が付着しないような環境が作れます。
業者への対応依頼も検討しよう
配管の凍結トラブルは個人でも対応可能ですが、場合によっては自力での解決が難しい場合もあります。
そして、そのような場合には業者への対応依頼を検討する必要があるでしょう。
相見積もりをとる
配管の凍結を自力で解決できない場合は、業者に依頼することも必要です。しかし、業者の選び方や対応を誤るとトラブルが発生する可能性もあります。そのため、業者選びには十分な注意が必要です。
そして、業者を選ぶ際には複数の業者から相見積もりをとりましょう。相見積もりをとっておくと適正な価格帯や業者の対応力、技術力などを比較できます。
また、業者の信頼性を確認するために実績や評判も調べておきましょう。業者が提供するサービス内容や保証についても確認し、不明点や疑問点があれば遠慮なく質問するようにしてください。
なお、業者に依頼する際には契約書や見積書の内容をしっかりと確認し、納得がいくまで検討するようにしましょう。
日中に対応をお願いする
業者に対応を依頼する際には、なるべく日中に対応をお願いしましょう。
日中の対応であれば業者が迅速に対応できる可能性が高く、加えて夜間や休日に比べて費用も抑えられる可能性が高いです。また、日中であれば業者が機材や材料を手配しやすいというメリットもあります。
ただし、配管の凍結が深刻な状況に陥っている場合には即時の対応が必要なケースもあります。その場合には業者の対応力や対応可能時間などを確認し、必要に応じて夜間や休日対応などのオプションを利用する必要があるでしょう。
まとめ
配管の凍結は寒い冬の季節に起こりやすい問題であり、早急な対応が必要です。そして、配管の凍結を予防するためには水を流し続けたり、排水管を保温したりする方法があります。
しかし、すでに配管の凍結が発生しており、かつ個人での対応が難しい場合には業者に対応を依頼する必要があります。そして、業者に対応を依頼する際には相見積もりをとることや、日中の対応をお願いすることが望ましいです。
ただし、緊急時には業者の対応力や対応可能時間を確認し、適切な対応を別途検討する必要があるでしょう。また、余計な水分の拭き取りや給湯器の機能の活用といった予防策を行って配管の凍結を予防する努力も大切です。