水のコラム
2023.02.03
水回り
排水口からボコボコ音?原因と改善法を知っておこう
排水口からボコボコと音が聞こえる場合、複数の原因が考えられます。修理には、原因に合わせた改善方法を取らなくてはなりません。そこで、配管から音が鳴る理由と、修理に有効な手段をご紹介します。
ただ改善を促すだけでなく、音が鳴る事態を防ぐための対策も解説します。水周りを快適に活用するのに役立つ内容です。日ごろのメンテナンスなどにお役立てください。
排水口からボコボコ音がする主な原因
排水口から音がする原因は、主にふたつです。このほかにも原因となるものはありますが、家庭ではこれから解説する内容のどちらかにより引き起こされていることが多い傾向にあります。
空気が通るところがない
配管は、空気の通り道がないとうまく排水できません。配管内の空気がきちんと廃棄されない状態になると、音が鳴ります。改善するには空気の通り道を作ってあげなくてはなりません。配管の場合は「通気弁」と呼ばれる部品を取り付けて対応します。
配管の詰まり
家庭に多い原因の中でも、特によくあるものです。詰まりにより配管内が一部狭くなっていると、水が通れません。結果、空気が入り込んだり逆流したりして、不快な音が鳴るのです。
これは詰まりを取らない限り修理できません。ゴボゴボ音が聞こえたら、配管の詰まり取りを検討しましょう。
そもそも配管はどういう仕組みなのか
配管内は、空気と水が同時に存在しています。しかし、何らかの理由により空気が水の間に挟まるような状態になると、密閉状態になり排水されません。水が自重で動けなくなっている状態です。
この状態で空気が配管内を逆流または入り込んだり、水を動かしたりすると、それによって音が鳴ります。配管から音が聞こえないようにするには、空気と水が両方存在できるようメンテナンスしなくてはなりません。
ボコボコ音に有効な配管の詰まり取り方法
配管の音は、詰まり取りにより改善できる場合があります。ここでは、複数の方法をご紹介しますので、家庭で取り組みやすいものを選択してください。
お湯を流す
油汚れや配管にこびりついた雑菌・水溶性の汚れを落とすのに有効な方法です。キッチンや洗面台なら、排水栓を閉めるか、ラップなどで水が入り込まない状態を作り、そこにぬるま湯を流し込みます。お湯と水圧で汚れを押し流す方法です。
トイレの場合は、ぬるま湯を中に入れ30分~1時間ほど放置してから流すだけでできます。どちらも比較的簡単な方法です。熱湯を注いでしまうと配管や故障するため、40~50℃の、ぬるま湯を注ぐようにしてください。手で触れても熱くない程度が目安です。
重曹とクエン酸を使う方法
掃除道具である重曹とクエン酸も役立ちます。汚れの特性に合わせて使い分けましょう。キッチンなどに多い油汚れ・お風呂場などに多い皮脂などは重曹で落とせます。反対に、せっけんカスや尿石などの汚れはクエン酸を使いましょう。
また、重曹とクエン酸を組み合わせるのも有効です。排水口全体を覆うように重曹を振りかけたら、クエン酸を重曹にかけます。その後、ぬるま湯をかけて反応させてください。その後30分~1時間ほど放置します。時間が経ったら洗い流しましょう。
トイレに使う場合は、重曹をコップ半分・クエン酸を同じ量入れ、ぬるま湯を注ぎます。順番と放置する時間は、排水口と同じです。時間が経ったら水を流しましょう。
パイプクリーナーや詰まり取り用洗剤を使う方法
詰まり取りには、パイプ用洗剤や詰まり取り用洗剤も有効です。どれも強力な薬剤のため、使用方法を守って使いましょう。臭いが強いものや、有害な物質が含まれているため、使用前後の換気を徹底してください。
また、効果のある汚れも洗剤ごとに違うため、詰まり取りをする場所に合わせたものを用意しましょう。
薬剤の中には、ほかの薬剤を混ぜて使うと有毒ガスを発生させるものもあります。そのようなものは必ず「混ぜるな危険」の文字とともに、一緒に使えないものが明記されています。必ず守りましょう。
ラバーカップで原因を取り除く方法
ラバーカップも排水口の詰まりを取るのに有効な方法です。詰まりが取れたときに汚水などが噴き出ることもあるため、使用時は止水栓を閉めたり、周りを養生したりするのを忘れないようにしましょう。
使うときは、排水口にラバーカップのゴム部分を付けます。その後、排水口の周りにカップ部分と同じくらいの水位になるまで水を注いでください。水が多いようなら組みだして調節します。
調節できたらカップをグッと押し込み、力を込めて引き抜きます。詰まりのもとが取れるまで繰り返しましょう。原因のものが取れたら、水を捨てて止水栓を開けてください。完全に改善できていることが確認できたら、養生を外しましょう。
ワイヤーブラシで洗い落とす方法
ラバーカップと同じく有効なのが、ワイヤーブラシです。これはワイヤーの先端にブラシがついた道具で、配管内をブラシでこそぎ落とすことで詰まりを解消します。ワイヤーを配管の中に入れて動かすだけなので、簡単です。
使った後のワイヤーは汚れているため、そのまましまうと臭いや雑菌の温床になります。必ずきれいに洗って乾かしてからしまいましょう。
詰まりによる音の発生を防ぐ対策
詰まりを取る方法はたくさんありますが、できることなら音も詰まりも発生させないのが一番です。そのためには、改善方法だけでなく予防法も知っておく必要があります。配管の音を防ぐ方法の中でも、家庭で取り組みやすいものをご紹介します。
排水口はネットやシートをかぶせる
排水口の詰まりや不具合を防止するには、汚れやごみが入り込まないようにすることが大切です。排水口には、ごみ取り用ネットやシートをかぶせましょう。ヘアキャッチャーやごみ取り網などにネットをかぶせることで、細かい汚れが配管に流れません。
排水口に張り付けるタイプのシートなら、汚れがたまったらシールのようにはがして捨てられます。どれも100円均一やドラッグストアなどで販売されています。どんどん活用しましょう。
こまめに排水口や配管を掃除する
こまめに排水口や配管を掃除して、ゴミや汚れがたまらないようにするのも大切です。普段から定期的に掃除する習慣を身に付けましょう。ごみ取り用ネットやシートを使っているなら、交換のタイミングで一緒に掃除するのがおすすめです。
配管は専用の洗剤を使ってきれいにしましょう。必要量を配管内に流し、放置した後洗い流すだけできれいにできます。普段からこまめなメンテナンスを心がけてください。
油や大量のごみを配管に流さない
配管内に油や大量のごみを流すと、処理しきれず詰まりのもととなります。油は紙に吸わせる・専用の凝固剤で固めるなど、ごみとして捨てるようにしましょう。汚れた食器などを洗うときも、キッチンペーパーで汚れをぬぐってから洗うとつまり防止に役立ちます。
トイレなどは、一度に大量のものを流すと詰まって異音を発生することがあります。たくさんのものを流すときは、こまめに分けて流しましょう。キッチンや洗面台・お風呂なども、大量のごみや汚れが流れ込みそうなときは、ゴミを分けてから使うなどの工夫をしてください。
まとめ
排水口から異音がする場合、配管内の空気と水のバランスが崩れているかもしれません。家庭では配管内にある詰まりを取り除くことで改善できる場合があります。
詰まりは異音をはじめとした不具合や故障の原因です。発生したときはすぐに対応するのはもちろん、普段からつまりが発生しないよう予防策を講じておきましょう。普段の生活から気を付ければ、異音などの不具合も起こりにくくなります。
もし、家庭で修理してもゴボゴボ音が改善されない場合は、別の原因が発生しているかもしれません。このような事態に遭遇したら、業者へ原因の特定や修理を依頼しましょう。通気弁をつけてもらうなどの改善策もご検討ください。