水のコラム
2023.04.17
トイレ
トイレの水が止まらないときはボールタップを調節しよう!
トイレの水が止まらない場合、中にあるパーツが故障しているかもしれません。給水機能に深く関わるボールタップに異常があると、さまざまなトラブルが引き起こされます。
この記事では、ボールタップの基礎的な知識から、トラブルの症状と修理法を解説します。トイレのメンテナンスに役立つ内容です。万が一のときの参考にしてください。
目次
トイレのボールタップとは
トイレのボールタップとは、給水管につけられている部品のひとつです。浮き球やフロートがついており、これがバルブと連動しています。
バルブと連動した部品が中の水量に合わせて上下することで中に水を供給する仕組みです。ここに異常があると、水が止まらないなどのトラブルが発生します。
ボールタップの種類
ボールタップにはふたつの種類があります。修理の際は、部品交換で対応しますが、新しいものを購入するときには、種類ごとの違いを押さえた状態で探さなくてはなりません。それぞれの特徴を覚えておきましょう。
浮き球があるタイプ
アームによって浮き球がつけられているタイプです。多くのトイレに採用されています。中には空気がつめられており、これが中の水量に合わせて動くことで給水機能が調節されます。
このタイプは、本体に異常がなくても、浮き球が割れたり、パーツ同士をつなぐアームが破損したりすると、正しく動かなくなります。複数の部品に分かれているので、片方が壊れても、壊れた部品を購入すれば修理できるのが特徴です。
浮き球がないタイプ
本体にフロートがついているタイプです。フロート部が水の動きに合わせて動くことで給水しています。先ほど解説したタイプのように、アームでつながっているわけではないため、調節しやすく、節水に優れているのが特徴です。
ボールタップが故障すると起こるトラブル
ボールタップが故障すると、さまざまな症状が発生します。この章で解説するような症状が出ているときは、タンク内を確認しましょう。
トイレの水が止まらない
タンクの中には、黒い線のメモリが書かれた管が入っています。これは、オーバーフロー管と呼ばれるもので、中の水位が高くなったときに、便器へ水を逃がすための役割を果たします。
何もしていないのに水が流れ続けている場合、給水パーツの故障によって水が止まらなくなっている可能性が高いです。
タンクから水漏れしている
通常、オーバーフロー管から水が流れることで水漏れを防ぎますが、弁が開きっぱなしになると処理しきれなかった水が、あふれ出すこともあります。水漏れもまた、よくあるトラブルのひとつです。
タンクへの給水は、止水栓を閉めれば止まります。まずは水の供給を止めるところから取りかかりましょう。
レバーを押しても水が流れない
これまでの症状とは逆に、レバーを操作しても水が流れない場合もあります。これは、給水管と、給水管とつながっているパーツの破損で発生する故障です。
ボールタップが原因の場合、つながっている弁が閉じた状態のまま動かない、または本来連動して動く部品が動いていないなどの状態に陥っているかもしれません。新しい部品に交換する必要があります。
ちなみに、タンク内の故障以外の原因では、以下のようなものが考えられます。
・本体のひび割れなどから水漏れしている
・止水栓や水道の元栓が閉まっている
・水道の使用手続きをしていない
・水道料金の未納などで水道が留められている
・断水
これらの原因に思い当たる点がない場合は、中の故障を疑いましょう。
ボールタップの異常を確認・修理する手順
故障の症状と原因について学んだら、以上の確認・修理方法を覚えましょう。先ほど解説した異常が発生したら、次の流れに沿って対応してください。
用意する道具
まずは以下の道具を用意します。
・マイナスドライバー
・ゴム手袋
・モンキーレンチ
・ペンチ※
・新しいパーツ
マイナスドライバーは、止水栓を閉めるのに使う道具です。タンクの中は不衛生な状態であることが多いため、作業中はゴム手袋をした状態で行ってください。モンキーレンチはナットを外すのに使います。ペンチは浮き球タイプを修理するときのみご用意ください。
修理には交換用の新しいパーツが必要です。部品はトイレのメーカー・型番ごとに該当する製品が異なります。購入の際は、修理をするトイレにあったものを選んでください。すべての道具が準備できたら、作業に移ります。
止水栓を閉めてからふたを開ける
まずは止水栓を閉めましょう。栓の溝にマイナスドライバーを入れて、半時計回しに回してください。このとき、何回回して閉めたかを覚えておきましょう。
栓を閉め終わったら、タンクのふたを開けます。ふたは陶器製のため、とても重たいです。落として割ってしまわないようご注意ください。ふたを外したら中の確認に移ります。
オーバーフロー管で水位を確認して水位調節リングを操作する
ふたを外し、まずは中の状態を確認しましょう。オーバーフロー管には「-WL-」と書かれたメモリがあります。
これよりも2~3cmほど低い位置に水面があれば、タンク内の給水量は正常です。もしこれよりも少ないまたは高い位置にあるなら、調節しなくてはなりません。
ボールタップに水位調節リングがあるなら、これを操作して調節します。水面がメモリよりも高い場合は左に、低い場合は右に回してください。
水位調節リングがない場合は、浮き球のアームを調節します。高い場合はアームの中央部分が下向きのアーチになるように曲げ、低い場合は上向きのアーチになるよう曲げてください。
オーバーフロー管などに異常がなければ、この調節だけで改善できる可能性があります。特に異常が見つけられないときは、一度止水栓を開けて水を流してください。
オーバーフロー管のメモリ2~3cm下に水面が来るか確認しましょう。正常な位置に戻っていたなら、この時点で作業は完了です。
タンク内の水を抜く
水量の調節をしても改善されない場合は、タンクの中の水を抜きます。レバーを下げて、便器の中に水を捨ててください。水がある状態では作業できません。完全に水が抜けたことを確認したら、ゴム手袋をはめて次の作業に移ります。
中のパーツを確認・調節・修理する
ボールタップを動かして、異常がないか確認しましょう。本体やそのパーツが動かないなどの異常があれば、取り外して交換します。
パーツは給水管にふたつのナットで留められているので、モンキーレンチで外しましょう。
ナットが外れたらパーツを内側に引き抜けば外れます。その後、新しいパーツを外したときとは逆の手順で取り付けてください。
浮き球タイプは、本体を外さずに浮き球だけを外せます。異常があるときは、取り外して新しいもの交換しましょう。ナットがついているので、モンキーレンチで外します。その後、新しいパーツを取り付けたら、確認作業に移ります。
止水栓を開けて異常が改善されたか確認する
作業が終わったら止水栓を開けて、一度水を流してみましょう。水位調節をしたときと同じように、メモリの下にきちんと水面が来るか確認します。水面が高いまたは低い場合は、水面を確認したときと同じ作業で調節してください。水位の確認と調節が終わったら、ふたを閉めて作業は完了です。
タンク本体の故障や修理がうまくいかないときは業者の力を借りよう
ここまで故障したパーツの修理について解説しましたが、何度修理してもうまくいかない・タンク本体に問題があったなどの場合は、家庭での修理は難しくなります。
本体の故障や修理がうまくいかないときは、無理せず業者の力を借りましょう。
まとめ
トイレの水が止まらないまたは流れないときは、タンク内でトラブルが発生しているかもしれません。ボールタップは破損したパーツを交換すれば、修理できます。トラブルに遭遇したときは、まずはタンク内を確認しましょう。
なお、修理方法を見て自分で修理するのが難しいと感じたら、業者に連絡しましょう。無理やり修理しようとすると、状況を悪化させることもあるため、少しでも不安を感じたら業者の力を借りてください。