水のコラム
2023.01.09
水回り
ゴムパッキンとは?用途や重要性を徹底解説!
私たちの生活にはあらゆる製品や場所にゴムパッキンが取り付けられています。しかし、なぜゴムパッキンは取り付けられているのでしょうか。
その理由は、商品や製品、水周りなどの環境や状態を正常に保つためと言われています。また、ゴムパッキンは使い方や使用によって破裂・劣化しやすいものです。
単純なゴムだけでは密閉や正常な機能が維持できないことから、ゴムパッキンは複数のゴムと掛け合わせて合成ゴムを作り、そのうえでゴムパッキンは成り立っているのです。
この記事では、私たちの生活を快適に、安全に送るために取り付けられることの多いゴムパッキンの特徴やその種類、平均寿命についてご紹介します。
ゴムパッキンの特徴・使用用途・種類
ゴムパッキンは主に部品と部品の間に取り付けられる部品のことです。なかには密閉状態を保つために取り付けられることも多く、私たちの生活には欠かせない部品と考えられます。
とくにゴムパッキンが身近な場所としては、蛇口やガス周りの配管や、バルブなどの接合面が挙げられます。
ゴムパッキンが使われる理由
ゴムパッキンが使われる理由は、金属と金属の間に取り付け、その機能性を高めたり、音を発生させないようにしたり、密閉状態を保つためなどに使うことが多いです。また工事現場などで使う工具や重機、私たちが乗ることの多い自動車など、多くのものに取り付けられています。
たとえば自動車であれば、外にガソリンが排出されないようにゴムパッキンを使ってせき止めています。工具においては、より精度や機能性を高めるために使用することが多いです。このほかにもゴムパッキンは、以下のような状況に活用されています。
・窓枠
・ドア
・静電気予防
・精密機器における塵などの侵入防止 など
ゴムパッキンの種類
ゴムパッキンにはたくさんの種類があります。具体的には以下のようなものが挙げられます。
・水栓パッキン
・接触型(非接触型)パッキン
・キャビネット用パッキン
・フランジ用中(全面)パッキン
・ダストシール
・電線管
・回転型シール など
私たちの生活において、ゴムパッキンは重要な役割を担っているといえるでしょう。
ゴムパッキンで用いられるゴムの種類
ゴムパッキンで用いられるゴムは、その多くが合成ゴム。ゴム単体では熱や摩擦に弱いことから、いくつものゴムを掛け合わせてさまざまな種類を生成しています。ここではゴムパッキンで用いられることの多いゴムの種類についてご紹介します。
ウレタンゴム
運動性能や強度に長けた合成ゴムがウレタンゴムです。どれだけ強い力を加えても形状を保つ特徴があります。そのため強い負荷のかかる機材や重機などに用いられています。平均寿命は約10年と言われています。
天然ゴム
ゴムの木から生成される樹液を加工し、作られるのが天然ゴムです。弾力性に優れた特徴から、工事現場で使うことの多い機械や重機、また、私たちの生活に欠かせない自動車にも用いられています。天然ゴムの平均寿命は約15年と言われています。
クロロプレンゴム
クロロプレンゴムは耐熱性、耐オゾン性、耐薬品性などに優れた合成ゴムです。自分で消化する性質(自己消化性)を備わっていることから、機械や工具などにも用いられ、発火を防ぐことができます。平均寿命は使い方などによって一概には言えないですが、約20年の耐久力と言われています。
エピクロルヒドリンゴム
エピクロルヒドリンゴムは、アクリルゴムと類似した性質をもった合成ゴムです。耐ガス透過性、耐老化性能に優れた特徴であるため、自動車や重機などに取り入れられています。平均寿命は特にありません。
プチルゴム
ブチルゴムは耐ガス透過性、耐候性、耐オゾン性に優れた合成ゴムです。ブチルゴムの寿命についても指定がないため、使用頻度や使い方によって左右すると考えられるでしょう。
水素化ニトリルゴム
耐熱性・耐候性の強度に優れたゴムを水素化ニトリルゴムと呼びます。熱に強い性質から屋外の使用に適しています。自動車や車庫、物置、敷地内の蛇口などに使用するケースが多いです。水素化ニトリルゴムは約10年です。
アクリルゴム
耐油性に長けていることから、高温状態に強いとされるのがアクリルゴムです。高温に至りやすいオイル缶に用いられます。平均寿命は特にありません。
シリコーンゴム
シリコーンゴムは電気絶縁性、耐候性、耐寒性、耐薬品性に優れた合成ゴムです。主に食品用のゴムパッキンとして取り入れられています。シリコーンゴムの平均寿命は約20年です。
フッ素ゴム
耐熱性能に最も優れたフッ素ゴムは、化学工場などの薬品を用いる場所で使われることが多いです。フッ素ゴムの平均寿命は約20年です。
エチレンプロピレンゴム
耐寒性、耐老化性、耐薬品性、耐オゾン性に優れたゴムをエチレンプロピレンゴムと呼びます。高温になりやすい自動車やガレージに用いられます。平均寿命は特に指定はありません。
ニトリルゴム
耐油性、耐摩耗性、耐老化性など、特に強度が高いのがニトリルゴムです。水周りのゴムパッキンのほか、ゴム手袋、自動車、重機にも使用します。ニトリルゴムの平均寿命は約10年です。
ゴムパッキンが劣化する原因
ゴムパッキンが劣化するのは、使用したゴムによって異なると考えられます。ここではゴムパッキンの劣化につながる主な原因について解説します。
水
ゴムはもともと水に弱いといった特徴があります。ゴムは水に触れることで、膨張しやすい性質であることから、水に触れただけでも劣化しやすいと考えられます。
摩耗
摩擦によって傷が付いたりこすれたりすると、ゴムの性質上劣化や破損につながります。水周りや自動車、機械などのゴムパッキンを確認した際に劣化が確認できた場合は、速やかに新しい物と交換するのが望ましいです。
なお、ガス管や排水管などのゴムパッキンが劣化した場合は、速やかに業者に交換を依頼しましょう。そのまま使用を続けると、ガスの充満や水漏れといった重大な事故につながる可能性があります。
油・ガソリン
灯油や食用油、ガソリンや軽油など、さまざまな油に触れると、ゴムパッキンが縮小したり膨張したりするものもあります。
この場合、油の成分に優れたゴムパッキンを選ばなかったのが原因と考えられます。耐油性に優れたゴムパッキンに交換することで、トラブルを未然に防ぐほか、油などの性質を維持できるでしょう。
温度変化
ゴムパッキンの性質には、耐熱性の低いものもあります。耐熱性が低いと、温度変化に耐えられないため、高温にいたる場所に放置すると、劣化したり変形したりすることがあります。高温にいたる場所にゴムパッキンを使う際は、耐熱性に優れた物を選ぶことが大切です。
オゾンによる酸化
ゴムの種類にはほかにも「オゾン」に弱いものもあります。一般的にゴムはそのほとんどが、オゾンに弱いといった欠点があります。とくに考えられるのが直射日光です。
窓枠や自動車のほか、ガレージなどに取り付けてしまうと、劣化が予想以上に早く進んでしまうため、取り付ける際は、耐オゾン性のゴムを選ぶのが望ましいといえるでしょう。
なおゴムの性質上、多くのゴムパッキンに耐オゾン性が取り込まれていますが、使い方や使用状況によっても劣化を早めてしまう可能性があるため、状況や取り付ける物に合わせたゴムパッキンを選ぶよう留意しましょう。
まとめ
本記事ではゴムパッキンの特徴と種類、平均寿命や劣化につながる原因についてご紹介しました。ゴムはもともとオゾン性や熱に弱いといった特徴があることから、さまざまなゴムをかけあわせて一つの製品を作成しています。
ただし、いくら耐オゾン性、耐熱性、耐摩耗性のものを選んだとしても、状況や取り付けるものによっては適さない場合もあります。
ゴムパッキンを取り付ける際は、業者に依頼したうえで、適切なものを取り付けてもらうことが望ましいと考えられます。私たちの生活を守るゴムパッキンですから、無理に自分で直そうとはせず、専門家に依頼したうえで修理・交換を実施しましょう。