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水のコラム

2025.04.30

その他

兵庫県の温泉はなぜ多彩?水が語る地質と泉質のひみつ【水道職人:プロ】

兵庫県には、有馬の鉄分濃い金泉、城崎のまろやかな塩化物泉、炭酸がはじける但馬の湯と、ひとつの県とは思えないほど個性豊かな温泉が点在します。

プレートの深部から湧き上がるミネラル豊富な地下水と、火山地帯を通じて育まれる熱い湯。
その二つの成分が隣り合う地質こそが、多彩な泉質を生みだす源です。

水の質によって、湯の色や香り、肌ざわりがどう変わるのか。
兵庫の湯めぐりをもっと味わい深くしてくれる水に関するあれこれについて、ご紹介したいと思います。

兵庫の温泉が“多彩”と言われる理由

瀬戸内海と日本海、そして六甲山に囲まれた兵庫県は、地質学的に見ると大きく二つの顔を持っています。

南側の瀬戸内エリアは古い花崗岩帯(かこうがん)が広がり、その下にはプレートの沈み込みに伴う深い断層が走っています。
ここからゆっくりと上昇する超深成水が、有馬温泉の濃い塩化物泉=「金泉」を生み出します。

一方北側の但馬エリアは、日本海形成に関わる火山活動の名残があり、地下浅い場所に、まだ熱を帯びた岩体が点在しています。
雨水や雪解け水がこれらの熱源で温められ、炭酸を多く含む柔らかいお湯となって城崎や湯村に湧き出します。

同じ県内に、数十万年の時をかけて生成された深成水と、比較的若い火山性温泉という二つの水脈が共存している。
この地質的なコントラストが、兵庫の温泉を「多彩」にさせる最大の理由です。

地質が生む2つの源泉タイプ

兵庫で湧く温泉は、大きく「深成水型温泉」と「火山性温泉」の二つに分けられます。
前者は大陸プレートの深部からのぼる超濃縮の深成水、後者は比較的浅い火山熱で温められた若い地下水のことです。

それぞれ温泉水としての生成ルートが異なるため、含むミネラルやガスの質も大きく変わり、湯色や香り、肌ざわりにまで個性が表れます。
ここでは代表例として、有馬温泉と城崎の湯村温泉を取り上げ、その違いを具体的に見ていきましょう。

プレート型:有馬温泉に代表される深成水

六甲山地の地下には、フィリピン海プレートが日本列島の下へ潜り込む際にできた深い断層が走っており、この割れ目を通って、海底由来の水が地球深部で長い時間をかけて熱と圧力を受けながら上昇してきます。
その過程で塩分や鉄イオン、炭酸ガスを大量に取り込み、地表に達したものが有馬温泉の「金泉」です。

湧出口で計測すると食塩相当量は海水の約二倍もあり、酸化鉄を含むため湯色は琥珀色。
肌に塩の薄い膜をつくり、入浴後も体表温を逃がさないため体の芯から温まることができます。

火山フロント型:城崎・湯村などの火山性温泉

日本海側の但馬地域などでは、かつての火山活動による玄武岩や安山岩が今も多く残っています。
雨や雪解け水が地表からしみ込み、浅い地下に眠る熱源で温められることにより、再び湧き出したのが城崎や湯村の温泉です。

深成水と違ってこちらは地下滞留時間が比較的短いため、塩分濃度は穏やかで、代わりに炭酸ガスや微量の硫黄成分を含みます。
城崎の外湯で感じるまろやかな湯ざわりや、湯村に漂うたまごのような香りは、この火山フロント型特有の個性と言えるでしょう。

同じ兵庫県内で、プレートが生んだ超濃厚な深成水と、火山帯が育てたライトな炭酸泉をハシゴできる地域は非常に貴重な存在と言えます。

兵庫で一度は訪れたい代表的な温泉地

兵庫の地質が生んだバリエーションを肌で感じるには、エリアごとに湯ざわりの異なる温泉地を巡るのがいちばんです。
ここでは、県内でもとくに特色が際立つ三つの温泉地を取り上げ、その魅力を簡潔にまとめました。

有馬温泉(神戸市北区)

日本最古の湯とも言われる有馬は、地下深くから噴き上がる鉄分と塩分を豊富に含む「金泉」と、ラジウムを溶かし込んだ無色透明の「銀泉」が一度に楽しめる希少な温泉地です。
古い街並みと高濃度のお湯が織り成す重厚な雰囲気は、「深成水タイプ」の温泉を体感するのに最適な場所です。

城崎温泉(豊岡市)

志賀直哉の小説『城の崎にて』でも知られる城崎は、七つの外湯を浴衣で歩きながら巡る風情が魅力の温泉地です。
泉質は塩化物泉をベースに重曹成分を多く含んでおり、肌ざわりはとてもまろやかです。

木造三階建ての旅館が並ぶ大谿川(おおたにがわ)沿いの柳並木は、夜になると提灯が灯り、温泉情緒を盛り上げてくれるため、非常に人気の高いスポットの一つです。

湯村温泉(美方郡新温泉町)

但馬牛の産地としても有名な美方郡(みかたぐん)に湧く湯村温泉は、源泉温度が98度にも達する高温炭酸泉。
荒湯と呼ばれる共同泉源では、湧き出たお湯で温泉たまごや野菜を茹でる光景が名物にもなっています。

炭酸ガスの細かな気泡が肌に付着するため、実際の湯温よりもぬるく感じ、長湯しても心地よいのが特徴です。

水が語る兵庫温泉の奥深さ

有馬の濃い金泉も、城崎や湯村のまろやかなお湯も、源は地球の地下で分かれた二つの水脈です。

プレート深部のミネラル豊富な深成水と、火山帯で温められた軽やかな炭酸泉。
この対照的なお湯が同じ県にそろうことこそが、兵庫温泉の醍醐味の一つです。

もし兵庫の湯めぐりをする機会があれば、色・香り・肌ざわりの違いを味わいつつ、異なる地質を巡ってきた水の経緯にも思いをはせてみてはいかがでしょうか。

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